この世は不思議なものばかり!! 心霊、妖怪、超科学、都市伝説など、あらゆる"オカルト"の裏には、どうやら「亜人」の存在が…!?
語りたくても語れないオカルトちゃんたちの声が陽子とざしこに届く時、未知なる世界のトビラが開く。
日々の高校生活の中で繰り広げられる、個性的な亜人たちとの交流で織り成される学園サイエンスコメディー「亜人ちゃんは語りたい」のスピンオフ作品。
原作の主人公の姪で座敷童子のざしこと同居する大学生の高橋陽子と、物理学の助教授で変人の相馬を主人公として様々なオカルト的事象に巻き込まれながら考察・解決を図っていく物語である。
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登場人物紹介
<主人公とヒロイン達>
高橋 陽子(たかはし ようこ)
鉄男の姪(鉄男の兄の娘)で武蔵野理科大学に通う女子大生。スピンオフ「オカルトちゃんは語れない」では主人公。米粒のような瞳などどことなく鉄男と似た容姿を持つ。ひかりからは「ヨーコちゃん」と呼ばれている(曰く「いいアダ名が思いつかなかった」)。
越してきたアパートに住み着いていた座敷童子のざしこと同居生活を送ることになる。学業だけでなく子供の世話までしているため非常に忙しいが、学友からは自制が出来ていて幸せそうになったと評されている。また、スピンオフではやまびこも同居させている。
自覚はなかったが霊能者とでもいうべき感覚を持った一種の亜人であり、ざしこを知覚できるのもその能力によるもの。
スピンオフでは、自身の性質から異空間の亜人絡みの問題に首を突っ込んでいくようになる。だが、亜人に関わる周囲の人々からは危なっかしいと心配されている。
高橋 鉄男(たかはし てつお)
主人公。県立柴崎高等学校の生物教師。大学(武蔵野理科大学)では生物学を専攻。
亜人に興味があり、学生時代に亜人を対象とした卒業論文を執筆しようとしたが世論や論理の観点から許可がおりず断念、就活が嫌で取得していた教員資格を使って教職に就いた。その後も亜人への興味は尽きなかったが、元々数が少ないため半ば諦めていたものの、赴任4年目にして多くの亜人と関わる機会に恵まれた。
相馬 靖忠(そうま やすただ)
武蔵野理科大学で物理学を専攻する助教。高橋の学友であり、彼からは「天才肌」「変わり者」と評される。「表情1種類しかない」と言われるほどに表情の変化に乏しいが、顔立ちそのものは整っているため女生徒からの人気は高い。
ロマンチストであり、SF(サイエンス・フィクション)からFの字を取ることが夢。高橋によってデュラハンの町と知り合い、彼女の体質を追求すればワープ・タイムトラベル・超能力開発が実現するのではないかと期待を抱くようになるが、倫理的な問題で教授に渋られている。
その後、教え子の1人である陽子が亜人だと推測し、同居人の座敷童子にも興味を持ち、鉄男と共に彼女の家を訪問して、空間の認識に関する持論を披露する。スピンオフでも陽子からの相談を度々受けている。
カスミ
武蔵野理科大学の学生で、陽子の友人。マンションの6階で1人暮らししている。
『オカルトちゃんは語れない』では自宅に隙間女が現れるようになって陽子に相談し、真相究明の過程でそれが死別した中学時代の親友であった浪江だと知った。以降はたまに家に来る浪江と話すようになった。
紙村 あきら(かみむら あきら)
「オカルトちゃんは語れない」の登場人物。武蔵野理科大学の教授で、文化人類学専攻。相馬とは「類友」の変わり者で、教室には世界各地の様々な像が置いてある。儲からないという文化人類学の性質から、児童館などでの営業用に紙芝居をいくつも準備している。積み重ねられた歴史の流れが崩れた転換点を見ることで現象は解決でき、原因や理由が絶対に存在する「この世の出来事」である以上、怪奇現象に屈して恐れたら学者として負けと考えている。
相馬に紹介された陽子に知名度の低い伝承の講釈をする。次第に陽子の質問が体験ありきのものであることに気付き、彼女が実際に妖怪と出くわしているのではないかと推理して、助手扱いして半強制的に研究を手伝わせることもある。
大学生時代に親密な関係にあった五月島という先輩と、姦姦蛇羅にまつわる事件に巻き込まれた際に生き別れており、以来消息不明となった彼に近づくために民俗学者への道に進んだ。いつも被っている魔除けの帽子は、五月島の形見である。
サヨリ
陽子の学友。実家は岡山県で代々ホテル「小田上旅館」を経営しており、大学進学を機に上京、普段は地方出身者とバレないように標準語で話すようにしている。5年前に旅館を改装して以来、スイートがあるフロアで毎年お盆の時期に怪奇現象が起こるため、夏休みに紙村に調査を依頼する。
榊(さかき)
武蔵野理科大の男子学生。陽子とは学科が別だが、授業がよく被るので面識がある。
川女郎の一件で陽子の入浴を妄想して興奮で倒れたことがあり、この前科から陽子には若干警戒されている。また、ややシスコン気味で珠希を溺愛しており、「きさらぎ駅」の事件で妹の存在が抹消されつつあった時も、頭の片隅に彼女の記憶が残っており、そのおかげで救出に成功する。
瀬瀬(ぜぜ)
武蔵野理科大学理学部で生理学を学ぶ男性。相馬の後輩。命を増やす生命の神秘に感銘して生理学を学んだが、次第に女性のことが神々しく見えるようになってしまい、畏れ多くて顔すらも見れなくなっている。
悪夢に悩まされた陽子に相談され、夢のシステムと明晰夢を見る方法を教える。
五月島(いつくしま)
紙村の学生時代の先輩で、彼女の2回生時には大学院に所属していた。同じ講義を3年連続で受講しており、その授業で当時20歳の紙村と知り合って会話をするようになり、彼女に学者の道を勧めた。
「姦姦蛇羅」の調査で九州を訪れた際、一緒に連れてきた紙村が生贄にされそうになり、彼女を救うためにお守りの帽子を託し、身代わりになる。その後は消息不明。
<亜人課>
宇垣(うがき)
佐藤の知り合いの男性刑事。熊みたいな大男と言われるほど、がっちりした体格で強面だが、根は善良かつ他者思いな人物。かなり懐が広いのだが、部下のクルツの言動および行動には手を焼いている。
警察内では亜人課に所属している。仕事の関係で佐藤とは学生の時からの顔見知りであり、未だ異性との付き合いに踏み込めない佐藤を父親のように心配している。
須摩 依澄(すま いすみ)
亜人課の女性刑事。
<その他>
相馬 靖忠(そうま やすただ)
武蔵野理科大学で物理学を専攻する助教。高橋の学友であり、彼からは「天才肌」「変わり者」と評される。「表情1種類しかない」と言われるほどに表情の変化に乏しいが、顔立ちそのものは整っているため女生徒からの人気は高い。ロマンチストであり、SF(サイエンス・フィクション)からFの字を取ることが夢。
座敷子(ざしこ)
陽子が暮らすアパートの部屋に住み着く座敷童子。種族の性質的に外出が出来ないため、普段から室内で元気に遊んでいる。年齢は不明だが容姿・精神性共に子供そのもの。やんちゃな性格だが、同居している陽子のために役に立ちたいという健気なところもある。好きな人は陽子、好きな遊びはボール遊び、好きな食べ物はカップ麺。
やや人見知りで、人が多いと大人しくなる。
座敷子(ざしこ)
陽子が暮らすアパートの部屋に住み着く座敷童子。種族の性質的に外出が出来ないため、普段から室内で元気に遊んでいる。年齢は不明だが容姿・精神性共に子供そのもの。やんちゃな性格だが、同居している陽子のために役に立ちたいという健気なところもある。好きな人は陽子、好きな遊びはボール遊び、好きな食べ物はカップ麺。
やや人見知りで、人が多いと大人しくなる。家主の叔父である鉄男に対しては、当初警戒していたものの、徐々に懐いて手を繋いだり膝に乗ったりするようになる。ただし、霊能者でない鉄男の視点では、陽子がじゃれているようにしか見えない。ひかりからは「ザシザシ」と呼ばれているが、見えてはいない。薫からは陽子の瞳(感情)の色が左右で違っているため、間接的に認識されている模様。
波江(なみえ)
「オカルトちゃんは語れない」の登場人物。カスミの中学時代の親友だったが、同じ相手を好きになって自分の恋が叶ったことでギクシャクし、そのまま別の高校に行って疎遠になっていた。大学入学までの3年間に亡くなり、死後は隙間女になって親友を見ていたが、陽子の発案で再び言葉を交わせるようになった。
ぬりかべちゃん
「オカルトちゃんは語れない」に登場するぬりかべの少女。武蔵野理科大学のキャンパスに出没してひと騒動起こすが、陽子と相馬の知恵を借りて普通の人間と交流を図ることに成功する。その後も陽子との交流は続いているようで、夏祭りを盛り上げる計画を花凛と協力して成功に導いた。
福坂 メグミ(ふくさか メグミ)
「オカルトちゃんは語れない」の登場人物。陽子と同じ町内に住んでいる女子小学生。父親が社長、母親は社長秘書というお嬢様。両親は共働きなので、平日は基本独り。近所の塾に通っている。怪談マニア。自分の考えをクラスメイトに伝えるのが苦手で、話しかけられても逃げてしまう。ただ、陽子とは普通に話せるので、友達になった。
ビッグママ
車椅子に乗った老女。異空間へ空間移動する能力を持つ「ビッグフット」の亜人で、突然「亜人」としての性質に目覚めた子供を異空間に保護し、心の整理がつくまで面倒を見ている。基本的には親に話をつけてから連れて行くが、緊急性のある場合はすぐに連れて行くので、失踪事件として亜人科が動くこともある。自分を受け入れた子供は親元へ帰しているが、普通の空間で生きるのが難しい者はそのまま引き取って育てている。狭い空間どうししか空間移動のゲートをつなげられないので、どこにでもあるトイレの個室を主に利用しており、一度は性質を受け入れて元の世界に帰った後でトイレを介して異空間に遊びに行く子供も多く、これが原因で「トイレの花子さん」の伝承が生まれたのではないかと語っている。
亜人(=陽子)の匂いが付いていたメグミや部屋に一人でいたざしこを保護しようとしたため、一時は陽子から誘拐ではないかと危険視されたが、その後の話し合いで誤解が解けて和解。陽子の能力が危ない物だと忠告し、「実体のない亜人」の対処を彼女に任せ、全員で一人の「花子さん」として協力し合うことを約束する。
鈴木
カスミの家の隣のマンションの5階に住む男性。長髪の美形だが、口下手で臆病。狐火の女性と互いに好意を抱き、釣り合う人間になろうとコンビニで働き始めたが、人とうまく話せず接客の仕事はうまくいかなかった。また、掃除も苦手らしく部屋はかなり汚い。空間を超えたいと願う彼女の頼みで陽子と相馬を自室に招くが、自信のなさから一度は関係を断とうとする。しかし、陽子の叱責で考えを改め、落雷の影響で窓をすり抜け空間を超えてきた彼女を抱きしめ、自らの意思で狐火の亜人として生きることにした。
天倉 花凛(あまくら かりん)
有花の妹。「サラマンダー」の亜人だが、当初は自分が何の亜人なのか分からず、自分が他人を傷付ける亜人なのではないかと苦悩していた。低体温と呼気が原因の蜃気楼で口が拡大されて見えるので、小学校のころには「口裂け女」と怖がられ、今では常にマスクを着けていないと落ち着かない。両親からは普通じゃないとして世間から隠すように育てられたため、年齢的には高校生だが、高校には通っていない。
姉に連れられて夏祭りに行った時、自分の性質が原因で一騒動起こしてしまう。だが、陽子らの尽力で花火大会で夜空に蜃気楼で大きな花束を映し出すことに成功し、これによって誰かを喜ばせられると自信を持てるようになり、高校への進学を目指し始める。
天倉 有花(あまくら ありか)
花凛の姉。妹とは違って普通の人間。小さいころに家が火事になった時、妹の性質のおかげで火傷ひとつなく生き残ったため、命の恩人として大切にしており、存在をひた隠しにしようとする両親とは対照的に、自信をつけさせるため外に連れ出そうと考えている。
夏祭りの騒動を見て家に来た陽子を信じ、妹が危険な亜人ではないことを証明してくれないかと頼んだ。
大多羅 鈴芽(おおだら すずめ)
サヨリの小中高の同級生。仏神「広目天」の亜人で、実家は観音様と呼ばれている近隣では一番大きい寺。霊能者のように異空間の亜人が見える訳ではないが、電磁波などを視認し起こり得る未来や人の心をある程度推理できるほか、「何かが居る」事だけは察知できるので、周囲には便宜的に霊感があるとしている。サヨリの実家に異変が起きていることに気づきながらも、知識がないために対処法が分からずにいたが、理系学生である陽子と協力して解決に臨む。
河野(こうの)
山小屋で一人暮らしをしている「川女郎」の亜人の女性。バンダナとマスクで目元以外を隠しているが、実は相当な美貌の持ち主。山で雨に降られた相馬たち5名を快く自宅に泊めるが、自身の性質、および相手が興奮したせいで男性陣を失神させてしまったため謝罪している。
榊 珠希(さかき たまき)
榊の妹で、来年度から高校生になる。東京の高校に進学予定で、兄と同居を始めたが、偶然「きさらぎ駅」で降車し、それを多くの人へ吹聴してしまったせいで陽子以外の人間の記憶から消えていく。さらには陽子でも知覚できない空間に転移しかけたが、間一髪で記憶を取り戻した兄に救助され、元の世界に帰還できた。
エンプーサの少女
陽子が出会った亜人エンプーサの少女。英語圏出身の外国人。
自分の性質を利用して悪夢を倒すヒーローをしていたが、悪夢が悪夢でなくなったせいでストレスが解消されない者が増えていた。自分の性質の本質を知って落ち込むが、ストレスを消せるだけでなく、トラウマや障害などのストレス起因ではない「不健康な悪夢」に悩まされる人を救う力もあると陽子から諭され、心を救われた。
松原(まつばら)
『オカルトちゃんは語れない』に登場する女性。献血ルームでの検査で何らかの亜人である可能性を指摘されたために精神科を受診し、担当になった津崎と親しくなる。人体発火の性質を持つ「燃えやすい」体質の亜人で、なおかつ相当熱に強い体質を持つ。
津崎(つざき)
『オカルトちゃんは語れない』に登場する精神科の医師。松原のメンタルケアを担当しており、彼女と親しい関係になる。自覚はなかったがドッペルゲンガーの亜人であり、極限定的な条件下で光と熱を特殊な反射・屈曲を起こす性質を持つ。この性質のために外出先で松原を燃焼させてしまい、居合わせた陽子が犯人として疑われることになった。その後、相馬が真相を解明したことで、再発防止のために松原との接近禁止が言い渡される。
ヒデハル
ビッグママの孫。16歳の少年。祖母と同じ「ビッグフット」の亜人で、生まれた時から空間移動を使えたために、異空間の存在を世界が隠そうとする力によって、普通の人間だった両親の記憶から何度も消えてしまっていた。そのせいで祖母の元で育てられることとなり、自分を産んだ記憶のある人はいないという事実に苦悩し、能力を悪用して万引きなどの非行を行っていた。
特殊な空間に存在するざしこに興味を持って外の世界を見せようと部屋から連れ出すが、追ってきた陽子との悶着でざしこが行方不明になってしまう。事態解決のために陽子と協力してざしこを見つけ出し、その際に祖母の言葉を誤解して家族の縁が切れかかるが、結果的にざしこを救出し、祖母や陽子に本心を打ち明け和解する。