二ツ坂高校1年の東島旭は中学まで美術部だったものの、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム」という謳い文句に感激し、薙刀部に入部した。
インターハイ予選ではダークホースである國陵に敗れてしまい、3年生が引退してエースの宮路真春、部長の野上えり、2年の大倉文乃、1年で剣道経験者の八十村将子、初心者だが長身の紺野さくらと共に新たな体制でスタートを切る。
本格的な薙刀の練習が始まり、二ツ坂が薙刀教士・寿慶やその紹介で来た元インカレ優勝者の福留やす子を指導者に迎え、厳しい稽古を乗り越えていく旭たち。
他方、國陵は部内の空中分解の危機を乗り越えながらプレースタイルもガラっと変えた部長の寒河江、熊本からきた孤高のエース寧々、薙刀経験者の的林を主軸に選抜大会の団体戦全国3位を果たし、その他にも巨体の1年生薬師丸擁する聖泉や、個人戦最強の戸井田奈歩率いる絶対王者の熊本東、そしてその熊本東から団体戦で金星を挙げた出雲英豊など、ライバルが続々と登場。
そして旭たちは2年になり、藤ヶ丘高校の監督の娘でサラブレッドの愛知、ボーイッシュで勢いのある等々力、虚弱で存在感のない座敷わらしのような大工原の3人が新たに入部。
とりわけ大工原は旭以上の運動音痴でオドオドした女の子だが、旭はかつての自分を思い返し、背中を見せながら支えるのであった。
14巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
大工原が生まれ変わる
新入生が入ったとはいえ等々力はテニス部と兼部しており薙刀にのめり込むわけでもなく、大工原は練習にもついていけない。
せっかく入った1年生を逃がさないためにも旭たちは1年生に自信をつけさせるように野上から指示を受けるが、旭にとっては大工原にあれこれ厳しく指導したくてもできないもどかしさを感じるように。
考えた末に割りきった旭は大工原を外に連れ出し、途中でリタイアしてしまったアヒル歩きを2人でやり抜くことにする。
最後まで頑張ってほしいという思いから励まし続け、本人が心折れそうになっても「あなたを強くしてあげられるのはあなたしかいない。やめるのは自分で決めること」と厳しい言葉をかける。
旭に導かれた大工原は涙や鼻水を垂れ流しながらもアヒル歩きを独力でやりきり、その日以来意外な積極性を見せるように生まれ変わった。
他方、メンバー入りしたことや同級生が急に変わったことなどを母に報告する愛知だが、藤ヶ丘の監督である母は忙しく、あまり愛知に構ってやれない様子なのだった。
結果が求められる関東大会予選会が始まる
愛知が順当に関東大会予選会のメンバーに入り、旭たちの練習にも熱が入る。
関東大会とその後にあるインハイが終われば真春たちは引退し旭たちが二ツ坂の主力となるため、個人で結果を出すことが求められる。
個人戦での本戦出場枠は7位までであり、真春や寧々、的林らライバルも多い混戦が予想されるのだった。
関東大会予選大会が開幕
関東大会予選会の当日。
寧々や聖泉の薬師丸らと再会した旭だが、くじ引きの結果、旭は2回戦で八十村と当たってしまうことに。
野上は団体戦に集中するために個人戦のエントリーを辞退し、先に団体戦の1回戦が始まる。
相手は何度か練習試合をしている西浦第一。
野上にスタメンの座を奪われた愛知が複雑な胸中のなか、野上の引き分けを除いて全員が勝ち星を挙げて早々に準決勝進出を決める。
次の相手は愛知の母が監督する藤ヶ丘となるのだった。
個人戦2回戦では早くも旭が八十村と対決
個人戦の1回戦が始まり、旭は何とか一本勝ち。
2回戦では互いに仲間と戦うことに戸惑いを抱えながらも旭と八十村が対戦する。
旭は判断の甘さ、八十村は審判受けしない剣道のクセがネックとなるが、八十村がスピードで一本を奪えば旭も鮮やかな引きスネで一本を奪い返す互角の展開に。
勝ち気にはやる八十村が手数を多くして攻めるが、試合は延長でも決着つかず、判定で旭が勝ち上がった。
手数よりも審判ウケのいい旭に軍配が上がるが、旭も八十村も複雑な気持ちを抱える。
旭はその次の3回戦も判定で勝ち上がるが、八十村は無意識で下に見ていた旭に負けたという事実をどこか受け止めきれずにいるのであった。
強者たちが住む世界を実感する旭
初日を終え、個人戦では真春と旭がベスト16入り。
まだ八十村との試合の勝敗を引きずる旭だが、真春は「優勝してこれ以外の道は無かったって証明すればいい」と励ましにも似た言葉をかける。
ここからは勝つべき者が勝つ世界であり、八十村に自分の強さを証明するための戦い、旭の目標は7位入賞で本戦への切符を掴むこと。
旭は格上を相手に苦戦を強いられ、試合は延長へともつれ込む。
仲間とも戦い勝つにつれて孤独になる個人戦を好きになれずにいた旭だが、戦っている間に吹っ切れた。
試行錯誤の末に真春がかつて見せた攻撃特化の上段構えを見せ、深い踏み込みから鮮やかにスネ一本を奪って金星を挙げる。
旭はどうしても勝ちたいと夢中になり、いつの間にか戦いを楽しんでいた。
嫌っていた戦いの中には高揚や熱望、勝ち進む度に深まっていく孤独があることを改めて知る旭。
次は寧々と戦うことになるのであった。
【14巻のまとめ】
旭のサポートもあって大工原が積極性を見せるようになるなか、関東大会の予選大会が始まる。
旭たち2年生にとってはこれからの主力として結果も求められることとなるが、個人戦では2回戦で旭と八十村がぶつかることに。
試合は判定の末に旭が勝ったものの、旭と八十村の胸中は複雑なものとなった。
仲間とも戦い勝つにつれて孤独になる個人戦を好きになれずにいた旭だが、戦っている間に吹っ切れ、いつしか相手に勝ちたいと戦いに夢中になっていく。
個人戦で勝ち上がっていく旭は、いよいよ寧々と対決することになるのであった。
次巻へ続きます。
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