様々な事件の遺族が、罪を償わずに生き延びる犯人たちへの恨みを晴らすために復讐を依頼する「カモメ古書店」。
請負人のカモとトラは悪を許さず、犯人たちに制裁を加える。
訪れる依頼者は様々。
復讐をしても彼らの傷が癒えることはないが、彼らの心に寄り添い悪を成敗するのがカモとトラの信条なのである。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
一家乗っ取り事件への復讐(モデル:尼崎事件)
カモメ古書店に訪れたマイという女性が復讐を依頼する。
半年前、突然訪れてきた老婆の榊ヨシ江によって家を乗っ取られたというのだ。
しかし詳細を聞く前に叔父と思わしき男によって連れ戻されてしまう。
男はヨシ江の養子、言いつけられた以外の勝手なことをしたとして帰宅後にペナルティを受けさせられてしまう。
〈一家を乗っ取った榊ヨシ江 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
ちょうど母の節子が風呂で居眠りをしたとして、マイは節子を20発ビンタすることを強いられる。
兄のタカシも含め、家族はみなこの老婆の言いなりになっている。
タカシが自転車での交通事故でヨシ江に怪我をさせてしまったことが事の始まりだった。
ヨシ江は養子にしているヤクザの男たちとつるんで家族の弱みを握り、一家を洗脳して金を巻き上げている。
精神的に弱ったこともあり、母の節子は既に理不尽な罰を受けても従順になってしまっていた。
〈洗脳された母 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
異常な状況に耐えかね睡眠不足になったマイは、スーパーで立ち眩みがしたところをカモに助けられる。
思い余ってカモに相談を打ち明けるが、ヤクザの男に監視されているため、そそくさと帰宅せざるを得ない。
帰宅すると、警察が家に来ていた。
辛うじて正気を保っていた祖父が呼んだものだったが、父や母はヨシ江の味方をし、警察は民事不介入として早々に引き上げてしまう。
〈抵抗を試みた祖父 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
重苦しい空気が家族を包む中、連帯責任として祖父は家族らの手によって首を絞められて殺されてしまった。
明らかにおかしいマイの様子が気になり、自宅付近で様子をうかがうカモ。
しかしヨシ江の養子たちに見つかり、家の中に監禁されてしまう。
ヨシ江はカモを殺し、祖父と同じ床下に死体を隠すよう命じる。
靴に仕込んでいた刃物で拘束を解いたカモは隙を見て養子たちを次々に倒し、ヨシ江のもとに。
〈カモが追い詰める [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
カモの異変に気付いたトラが家に踏み込んだころには、カモは家を制圧していた。
床下に隠した死体の露呈を恐れる家族らは自ら進んで男たちの始末を申し出る。
カモとトラは主犯格であるヨシ江のみを山奥に拉致し、クレーンで逆さ吊りに。
〈逆さ釣りの刑 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
尻には避雷針として鉄の棒を刺し、その夜に激しい雷雨が山を襲う。
ヨシ江は見事数回の落雷を受け、翌朝に死体となって発見されたのだった。
一家殺害事件(モデル:世田谷一家殺害事件)
引きこもりの開成奈々子。
〈引きこもりの奈々子 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
従姉の幸乃が叔父の家を訪れるが、奈々子は部屋から出ようとせずリビングに仕掛けたトランシーバで盗聴している。
と、そこに突然男が押し入り、両親と幸乃を殺害した。
〈男が押し入り家族を殺害 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
異変を察知した奈々子はベッドの下に隠れる。
犯人の男はその部屋でカップ麺をすすりながらくつろぎ、数時間を過ごした。
〈そのまま数時間を過ごす犯人 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
残忍な一家殺害事件を生き延びた奈々子は、復讐のためにカモメ古書店を訪れる。
犯人もまだ捕まっていないなか、奈々子は自らをエサにして犯人をおびき寄せることを申し出る。
〈犯人を釣る [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
仲の悪かった両親はさておき、従姉の幸乃が巻き込まれたことに責任を感じていた。
SNSでエサとなる情報を撒き、留守中の自宅に犯人が侵入することを想定してカモとトラが待ち伏せする。
思惑通り、奈々子の留守を狙って犯人が侵入してきたところを迎えうつが、犯人はガス爆発を起こして逃げおおせた。
〈一度は追い詰めるが… [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
カモは犯人の特徴を叔父に伝える一方、依頼が完了するまで奈々子を匿うことを決めた。
犯人である園田夢二はゴアゴアコミックの編集。
普段は飄々とした態度でいるが、紛れもないサイコパスである。
〈犯人の園田夢二 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
危険ドラッグ暴走死亡事故への復讐(モデル:池袋危険ドラッグ吸引RV暴走死亡事故)
カモメ古書店の前に立ちすくむ女学生に買い物帰りのトラが声をかける。
すると、二年前に母を交通事故で亡くしたことに対する復讐を依頼される。
〈ひき逃げ事件 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
犯人の男は当時危険ドラッグで意識がハッキリしていなかったが、重罪に処されることなくいまは社会復帰。
義憤に駆られたトラは依頼を受け、一人で男を拉致する。
トラの過去
今回の依頼を快諾したのには過去に関係があった。
若いころは喧嘩に明け暮れ、地下格闘技で名を馳せていたトラ。
試合で負った怪我がもとで入院し、二人暮らしの母がお見舞いに来るが、その帰りに車でのひったくりに逢い、ガードレールに頭を強打して亡くなっていた。
〈ひったくり犯に殺されたトラの母 [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
大切な母親を悪質な交通事件で亡くしたことで、トラは痛いほど依頼者の気持ちが分かったのである。
山奥で犯人に一人復讐するトラ。
しかし殺害するに至れないところに、カモが現れ、独断で依頼を受けたトラに苦言を呈する。
〈独断専行したトラに苦言を呈するカモ [善悪の屑 2巻](c)少年画報社/渡邊ダイスケ〉
結局カモが男にトドメを刺し、トラは母の墓前で涙を流すのだった。
【2巻のまとめ】
一家殺害事件の唯一の生存者である開成奈々子が犯人への復讐をカモとトラに依頼。
自らを囮に犯人をおびき寄せるが、あと少しのところで犯人を逃してしまう、
犯人の園田夢二は出版社の編集者として生活している。
奈々子は犯人に迫るまでカモメ古書店に身を寄せることとなり、カモとトラとの共同生活が始まるのだった。
次巻へ続きます。
この漫画をもう一度読みたい方はこちら
全巻まとめに戻る
-
-
参考世にはびこる悪人たちに復讐と制裁を『善悪の屑』全5巻【ネタバレ注意】
続きを見る