父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
幼くして入所した児童保護施設でも性のトラウマを抱えながらも、ヤクザの所沢との出会いをきっかけにプロボクサーとなったリク。
目標は所沢が現役時代に持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
幼少期のトラウマをバネにプロデビュー戦を圧勝し、その姿に同世代の天才ボクサー兵動も興味を示す。
高校3年を迎えたリクは同じ施設で育った苗代に告白され同棲生活を切り出されるも、心配をかけたくないと断りボクシングに集中する。
リクはライト級の王者、椿やその後輩である三原との出会いを経て、新人王戦の2回戦で兵動と激突。
圧倒的な実力差を跳ね返すためにこれまで幾度となく繰り返してきたジャブとワンツーを武器に攻めるリクだが、兵動のカウンターをもらってしまい肋骨にヒビが。
一転して兵動が優勢となる展開のなか、何とか弱弱しいカウンターを繰り出すリク。
虫の息のように見えたが、馬場だけはリクの放ったパンチに勝機を見出すのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
勝機は「見えないパンチ」
馬場が勝機を見出したのは、リクの放った「見えないパンチ」。
肋骨にヒビの入った左腹を犠牲にしながら、カウンターパンチを見えない角度から綺麗に顎にヒットさせ、今度はリクがダウンを奪った。
〈リクのファントムパンチ [リクドウ 6巻](c)集英社/松原利光〉
そこからは正面からの殴り合いとなっていく。
兵動の歪んだ過去
その頃、兵動の父は息子の試合に顔を出すこともなく、タイで愛人との情事にふけっていた。
幼いころに厳しいしつけ(虐待)をした影響か、兵動は殴られる恐怖を「相手のパンチを楽しむ」という歪んだ形で克服し、今に至っていることが明かされる。
兵動は産まれたときに母親を亡くし、所沢との復帰戦に負けて荒れていた父により虐待を受けていた。
父親に殴られることでパンチの痛みを身をもって覚えてきた兵動は、自分が笑って死ぬために「殴られた人をも輝かせる拳」をもつリクに希望を見出していた。
〈兵動は相手のパンチを楽しむ [リクドウ 6巻](c)集英社/松原利光〉
リクvs兵動 決着
試合はそのまま最終の第4Rを迎える。
兵動とリクは正面から全弾フルスイングで殴り合い、リクがコーナーに追い詰められてからも激しい攻防を見せる。
そして兵動のパンチをいなしながらリクが強烈なカウンターを浴びせたところでダブルノックダウン。
リクが闘志だけで立ち上がり、勝負はリクの大金星となった。
〈勝ったのはリク [リクドウ 6巻](c)集英社/松原利光〉
リクは病院に運ばれるが、ただ意識を失っていただけの兵動はそれほどダメージがない様子。
その後リクは大事を取って新人王戦トーナメントを棄権。
それでも兵動に勝ったリクの名前は一気に関係者に知れ渡り、リクには馬場の知人の清掃業者で働くこともできるようになった。
次の相手はガーベラ
ライト級14位のハードパンチャー、エドガルド・ガーベラが100万円で対戦相手を募集している―。
〈対戦相手を求めるガーベラ [リクドウ 6巻](c)集英社/松原利光〉
そんな情報を聞きつけた兵動の父がリクに目をつけ、マッチメイクの情報をリクに吹き込む。
兵動の試合後の様子をヘラヘラと語る様子にリクは苛立ちを覚えながらも、リクは馬場の勧めもあってガーベラとの対戦に向けて進んでいく。
勝てば100万のうえに日本ランク入り、しかし命がいくつあっても足りないような一撃必殺のぶつかり合いとなるのは目に見えていた。
リクがボクサーたちとの合同合宿へ
施設で催される夏祭りにリクを誘う苗代。
しかしその前に三原が現れ、リクをボクサーたちの合同合宿に誘う。
〈合宿への誘い [リクドウ 6巻](c)集英社/松原利光〉
潔く身を引き、リクに合宿参加を勧める苗代。
兵動との試合を経て、苗代にもリクのボクシングに賭ける想いを応援する気持ちが出ていたのだった。
〈苗代が背中を押す [リクドウ 6巻](c)集英社/松原利光〉
【6巻のまとめ】
「見えないパンチ」に勝機を見出し、激闘の末兵動を破ったリク。
残念ながら新人王戦は怪我のためにここで棄権することとなったが、それでも兵動からの1勝はリクの名を轟かせるには十分だった。
次の相手はハードパンチャーのガーベラ。
対戦に向けてリクは三原に誘われボクサーたちの集う合同合宿に参加することになるのだった。
次巻へ続きます。
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