父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
ヤクザを殺してしまい幼くして入所した児童保護施設でも面倒を見てくれた先生が目の前で強姦されるというドン底を味わった少年リク。
ヤクザでありながら元王者の所沢との出会いをきっかけに、その姿を追ってプロボクサーとなった。
目標は所沢の持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
しかしその所沢からは「もう自分とは関わるな」と告げられてしまう。
ショックとは裏腹にリクのパンチはキレを増していき、幼少期のトラウマをバネにプロデビュー戦を圧勝したリク。
その姿に同世代の天才ボクサー兵動も興味を示し、リクと戦うためにあえて同じ土俵に立つことを宣言する。
新人王戦1回戦で石蕗と激突したリクは、打たれ弱いという弱点を露呈しながらも相手の呼吸を読んで容赦なく殴り続け、派手な逆転KO勝利を飾った。
高校3年を迎え、施設からの出所が近づく苗代はリクに気持ちを告白し、同棲生活を切り出す。
苗代に心配をかけたくないとリクは断り、新人王戦に集中。
リクはライト級の王者、椿やその後輩である三原との出会いを経て、2回戦で当たる兵動に勝てば自分の目標に大きく近づくことを実感するのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
リクの拳に惹かれる兵動
天才型の兵動の父、兵動秋人はジムの会長で、過去には世界のタイトルを取ったほどの実力者。
しかし父はベルトを失ってからの復帰戦となったOPBFタイトルマッチで所沢に敗れ引退。
父は兵動に全く見向きもしないが、父の姿を追う兵動は父を倒した所沢の拳と共通するものをリクに見出し、リクの拳を受けることを願っていた。
〈リクの拳を受けたい兵動 [リクドウ 5巻](c)集英社/松原利光〉
リクを気にかける所沢
ケガが癒えたリクはロードワークを再開。
すると近くの会館で暴力団の総組長の葬儀に出席していた所沢と、同じく通りがかった兵動と遭遇する。
所沢はリクに「(兵動には)勝てねエわ。絶対」と吐き捨て、それが所沢に認めてもらいたいリクの闘志に火をつける。
〈リクに勝ち目はない? [リクドウ 5巻](c)集英社/松原利光〉
圧倒的な実力差をひっくり返すために、馬場もいまのリクにできることを全て教え込んだ。
また、所沢も自然と馬場ジムに足を運びリクの様子を気にかけるのだった。
リクvs兵動 新人王戦2回戦
リクと兵動の試合は新人戦の二回戦という小さい試合ながらも、兵動を見に来た関係者やファンでチケット完売の満員となる。
1Rのゴングが鳴ると、絶好調のリクが兵動の出鼻をくじくようにパンチを浴びせ、早くも兵動が出血。
〈リクがペースを握る [リクドウ 5巻](c)集英社/松原利光〉
しかしすぐに兵動も強烈な左フックの連打で反撃し、ダウンを奪う。
そこから仕掛ける兵動の攻めをリクは闘争本能で受け流しつつカウンターで、今度は兵動をクリンチに追い込んだ。
兵動はリクに「殺すつもりで来てよ」と耳打ちし、そのまま第1Rを終える。
〈兵動の誘い [リクドウ 5巻](c)集英社/松原利光〉
第2Rは兵動が一方的に攻める展開。
しかしリクも馬場の指示で練習を重ねてきたジャブで応戦し、兵動に膝をつかせる(判定はスリップ)。
「リクはおそらく人を殺したことがある」と兵動が感づくほどそのジャブには殺意がこもっていた。
ひたすらジャブとワンツーで兵動にダメージを与えていくリクだが、兵動もリクのストレートを誘いつつ左ボディを突き刺し、リクの肋骨にヒビが入る。
〈兵動がボディを突き刺す [リクドウ 5巻](c)集英社/松原利光〉
ダウンを喫するリクだが何とか立ち直り、ゴングに救われてインターバルへ。
第3R。
左腹を守りながらの戦いとなったリクに対し兵動が強烈なパンチを浴びせるが、リクも何とかカウンターを繰り出す。
リクの弱弱しいパンチは虫の息のように見えたが、馬場だけはリクが兵動を越えるまでに成長した、と勝機を見出すのだった。
〈リクが掴んだ微かな勝機 [リクドウ 5巻](c)集英社/松原利光〉
【5巻のまとめ】
リクと兵動が2回戦で激突。
圧倒的な実力差を跳ね返すためにこれまで幾度となく繰り返してきたジャブとワンツーを武器に攻めるリクだが、兵動のカウンターをもらってしまい肋骨にヒビが。
一転して兵動が優勢となる展開のなか、何とか弱弱しいカウンターを繰り出すリク。
虫の息のように見えたが、馬場だけはリクの放ったパンチに勝機を見出すのだった。
次巻へ続きます。
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