父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
ヤクザを殺してしまい幼くして入所した児童保護施設でも面倒を見てくれた先生が目の前で強姦されるというドン底を味わった少年リク。
ヤクザでありながら元王者の所沢との出会いをきっかけに、その姿を追ってプロボクサーとなった。
目標は所沢の持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
しかしその所沢からは「もう自分とは関わるな」と告げられてしまう。
ショックとは裏腹にリクのパンチはキレを増していき、プロとしてのデビュー戦に臨むのだった。
2巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
デビュー戦の相手が決定
パンチのキレはあるものの、所沢を意識して心ここにあらずというリクの状態を見抜いた馬場が喝を入れる。
リクの初戦の相手、菊池勝也は崖っぷちではあるものの元ウェルター級でパンチ力はある選手。
〈デビュー戦の相手となる菊池 [リクドウ 2巻](c)集英社/松原利光〉
初めて会う赤の他人と命がけで殴り合うことができるか、それがリクにとって越えるべきハードルだった。
また後援会の無い新人は自分の試合のチケットを売りさばかなければギャラすらもない仕組み。
苗代はリクを心配してしきりに声をかけるが、リクは気にも留めずに「試合が出来ればそれでいい」と考えていた。
リク vs 菊池 デビュー戦
相手の菊池は年齢的にも現役ギリギリで、愛する息子のためにも後がない。
父と子の愛を見て、さらに相手の息子からも敵意を向けられたリクはどこか心にひっかかりを感じたまま試合に臨む。
息子の目の前で相手を全力で殴れるのか。
そんなことを考えながら試合が始まると、立ち上がりから菊池が必死にラッシュを仕掛ける。
集中力を欠いたリクはかなりパンチをもらってしまい、ようやく見つけた「ボクシング」という自分の居場所すらも失ってしまう恐怖に襲われてようやくパンチを繰り出した。
〈ようやくパンチを返すリク[リクドウ 2巻](c)集英社/松原利光〉
選手を突き放す馬場はリクに何も指示をしない。
1Rを何とか耐え凌ぎ、インターバルの間に自分を見つめなおすリク。
第2Rが始まると、リクの拳は自然と相手を捉えた。
戦わなければ殺される―。
幼少期に虐待を受けたトラウマからリクは本能的に敗北を拒否し、菊池を圧倒してTKO。
〈本能が敗北を拒否した [リクドウ 2巻](c)集英社/松原利光〉
菊池は息子の前でボコボコにされ、担架で運ばれていった。
天才ボクサー兵動楓もリクに興味を示す
リクの試合の映像はボクシングの関係者たちにも流れ、元世界王者を父に持つ18歳のサラブレッド、兵動楓もリクに注目。
生存本能から相手を殺しかねないほど本気で、さらに急所を的確に打ち抜くリクの戦い方に強い興味を持った兵動。
〈リクに興味を示す兵動 [リクドウ 2巻](c)集英社/松原利光〉
その兵動が馬場ジムを訪れ、スパーリングの相手にリクを指名する。
リクは鋭いパンチで兵動相手に優勢に進めるが、どこか兵動の掌で踊らされているような違和感を覚える。
〈底知れぬ兵動の強さ [リクドウ 2巻](c)集英社/松原利光〉
兵動はリクのパンチを楽しみながら味わい、本気になる前にスパーリングを切り上げた。
そして今度はリクと本気で戦うために東日本新人王戦に狙いを定める。
新人王はかつて所沢も取ったタイトルということもあり、リクも並々ならぬ想いを抱いている。
翌月、兵動は世界への道を遠回りしてでもリクと闘うために同じ土俵のC級でデビューし、新人王戦でリクと闘うことが目標と宣言するのだった。
リクを踏み台に狙う同級生のボクサー、三瀬早
学校で陰湿なイジメを受けている苗代に、高校のボクシング部の三瀬早が声をかけ、自分の試合の観戦に誘う。
三瀬早は兵動に敗れながらも国体で4位になるほどの実力者でプロを目指している。
ちょうどその頃リクはデビュー戦での派手な勝ち方が周りを敬遠させマッチメイクに苦しんでいたが、三瀬早のジムが三瀬早のデビュー戦の話を持ち掛けたのである。
しかしこの試合は”リクは右構えのショートパンチのみ”という裏のハンデ付き。
兵動の発言を受けて一気に注目を浴びるようになったリクを倒すことで三瀬早を売り出そうという策略だったのである。
馬場はこれをリクへの課題として承諾し、リクと三瀬早の試合が決まった。
〈次は三瀬早とのハンデマッチ [リクドウ 2巻](c)集英社/松原利光〉
対戦相手がリクとは知らない苗代は後ろめたさから三瀬早の誘いを断り、内心で周りを見下している三瀬早は苛立ちを募らせるのだった。
【2巻のまとめ】
初対面の他人を全力で殴ることができるか、というハードルを幼少期のトラウマをバネに乗り越え、プロデビュー戦を圧勝したリク。
その姿に同世代の天才ボクサー兵動も興味を示し、リクと戦うためにあえて同じ土俵に立つことを宣言する。
派手に勝ちすぎてマッチメイクに苦しむリクを、同級生のボクサーである三瀬早がプロデビュー戦の相手に指名した。
しかしこれは裏で「リクは右構えのショートパンチのみ」という縛りを設けたハンデマッチで、一躍注目を浴びるリクを踏み台にして華麗なデビューを飾るという三瀬早陣営の罠なのだった。
次巻へ続きます。
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