父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
幼くして入所した児童保護施設でも性のトラウマを抱えながらも、ヤクザの所沢との出会いをきっかけにプロボクサーとなったリク。
目標は所沢が現役時代に持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
幼少期のトラウマをバネにプロとなったリクは新人王戦の2回戦でライバルとなる同世代の天才ボクサー兵動から大金星を挙げて躍進。
同じライト級の三原や王者の椿らに合同合宿にも誘われ、ボクサーとしての輪も広がっていき、さらにハードパンチャーのガーベラにも勝ったことで日本ランク入りを果たした。
プライベートでは高校3年を迎えたリクは同じ施設で育った苗代との同棲生活に向けて自分の気持ちを見つめなおしていく。
その頃、所沢も手下の罪を庇って逮捕され、拘留されている間に自分の今後の人生についてある決心を固めた。
リクは三原の妹であるナズナと出会い、その同僚である伏黒と対戦。
伏黒の師匠である柳は馬場ジムで問題を起こして出ていった因縁のある相手である。
馬場と柳、それぞれの指導を映すようにリクと伏黒の試合が進むのだった。
9巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
リクvs伏黒 相手が応える闘志
手堅くポイントを稼いでいく伏黒に対し、最小のカウンターを狙うリク。
足を止めてジッと息を殺し続け、ようやく見つけた隙にカウンターを合わせた。
〈ようやくチャンスが訪れる [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
伏黒は何とかクリンチに逃れ、第2Rを持ちこたえる。
ダウンを奪えなかったことで伏黒の優位は変わらず、第3Rも堅実に試合を進める伏黒。
リクが真正面から思いっきり戦えないことに苛立ちを感じ始めたとき、ふと所沢の声が聞こえた。
吹っ切れたリクが思いっきり殴りに行くと、その闘志に焚きつけられたかのように伏黒も呼応する。
〈伏黒も打ち合いに応える [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
地味な試合は一転して殴り合いとなり、そのまま最終の第6Rへ。
このラウンドでKOできなければポイントで負けせっかくの日本ランクも剥奪されるのは明白な状況。
激しい接近戦となり、残り20秒のところでリクのボディブローが伏黒の急所を捉えた。
そのまま崩れかける伏黒の動きを読んだリクが強烈なパンチでついにダウンを奪う。
〈リクが終了間際にダウンを奪う [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
伏黒は何とか立ち上がろうとするも、レフェリーストップによりリクの逆転TKO勝利。
守りに徹していれば勝てた伏黒だったが、全力を出してこれまでで1番いい試合をして負けたという結果に思わず涙が溢れる。
一方のリクは伏黒に勝ったことでA級に昇格を果たしたのだった。
三原vs柳 ベルトを賭けた挑戦
リクと伏黒の試合が終わり、今後は兄貴分である三原が椿の返上したベルトを賭けて柳に挑む番。
椿の激励もあり、気合十分で三原は試合に臨む。
〈気合十分な三原 [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
開始早々から主導権を奪いに突っ込む三原。
リーチで勝る柳の攻撃をかいくぐり、左目にパンチを受けながらも先制に成功する。
〈三原が先制 [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
前半は三原がペースを握るが、第1Rの終了間際に柳の必殺である右の打ち下ろしを食らってしまう。
ダウンすることなくインターバルを迎えた三原だが、パンチをもらった左目には骨にヒビが入っており、みるみるうちに腫れていく。
距離感を失った三原に柳が一方的に攻め、諦めない三原はあえて左目を捨てて突っ込むが反撃は不発。
〈左目を犠牲に [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
ここで三原にドクターによるチェックが入る。
左目は腫れにより完全に塞がり、ドクターの出す指の数が全くわからない三原。
〈左目が完全に塞がった三原 [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
機転を利かせたリクがドクターの背後の観客席から指の数を示し、三原は見えているフリをして試合は続行。
失明するリスクを犯してでも日本タイトルに挑みたい三原の背をリクが後押しした形となる。
三原はそこから持ち直し、柳の冷静かつ強烈なジャブを受け切ってカウンターの右ストレートを一閃。
右と柳からダウンを奪い返すのだった。
〈三原がダウンを奪った [リクドウ 9巻](c)集英社/松原利光〉
【9巻のまとめ】
ポイントでリードする伏黒だったが、リクの闘志に応える形で打ちあいとなり、終了間際にリクが逆転TKO勝利を飾った。
続く試合では三原がベルトを賭けて元OPBF王者の柳に挑む。
格上の相手に果敢に攻める三原だが、打ちおろしを被弾して左目が完全に塞がってしまう。
しかしリクが機転を利かせてドクターチェックをすり抜け試合は続行。
失明するリスクを犯してでも三原は攻め続け、ついに柳からダウンを奪うのだった。
次巻へ続きます。
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