宮本青果店の店長の息子である宮本明は、数年前に彼岸島で行方不明になった兄・宮本篤を捜す為、友人と共に彼岸島に渡った。
しかし、そこは吸血鬼が跋扈する地であった。兄を捜し出し、本土に連れ帰る為に奮闘する。
今では親しみを込めて「ホラーサバイバルスタイリッシュ丸太アクションシリアスギャグ漫画」と揶揄されるが、始まりはれっきとした「吸血鬼サバイバルホラー」。
言わずと知れた大人気漫画の第1作です。
※最新作「彼岸島 48日後…」、スピンオフ作品「彼、岸島」も絶賛連載中!
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登場人物紹介
<主人公たち>
宮本 明(みやもと あきら)
本作の主人公。商店街の宮本青果店(テレビドラマ版では宮本食堂)の店長の息子。2年前に行方不明になった兄を捜すため高校卒業後、友人達や知り合った女性(青山冷)と共に彼岸島へ赴く。彼岸島に来る以前は両親(特に母親)から、自分自身を兄の篤と比較されていたため、篤のことを尊敬しつつも妬んでいた。
西山 徹(にしやま とおる)
名前を二つもつ男で、明の友人。高校卒業後に明と共に彼岸島に行く。日本で1、2を争う大学に合格した。頭脳明晰で記憶力に優れる。実家は商店街の文房具屋。明と一緒に東京へ行って、女探しをするのを夢見ている。総じて手先が器用で豚汁などの調理を得意とし、戦闘ではお手製の爆弾や地雷を駆使する。
坂下 ユキ
明の幼馴染みのガールフレンド。ポンと同じく本名不明。ケンと付き合っているが、明にも恋心を抱いている。明達一行は基本的に全員が幼馴染であり、その辺りには複雑な感情が交錯する。
加藤/三村 政和(みむら まさかず)
明の友人。本名は三村政和(みむら まさかず)だが、ケンちゃんとよく行動しているので、加藤と呼ばれるようになる。高校卒業後、明と共に彼岸島に行く。気弱でおっちょこちょいで足手まといになることが多い。
斉藤 ケン
明の友人で、彼からは「ケンちゃん」と呼ばれる。実家は商店街の魚屋。次男であり、兄の翔一(しょういち)と父親は、ケンが4歳の頃に事故で死亡。そのため母親が再婚を繰り返しており、家に居場所が無かったため、仲間との交流が大きな支えになっていたと語っている。特に両親と不仲だった明とは境遇が似ていたことから大きな信頼を寄せられている。
ポン
明の幼馴染みの友人。本名不明。家は商店街の玩具店で、兄は警察官。明の作る物語の大ファンである。高校卒業後、明達共に彼岸島に行く。気が弱く、彼岸島へ向かうことには躊躇していたがケンちゃんの脅しと仲間を死なせたくないという気持ちから嫌々ながらも同行する。
宮本 篤(みやもと あつし)
頭脳明晰で運動神経抜群な明の兄。ロイド眼鏡を着用している。彼岸島に渡る前はその優れた才能から両親の期待と愛情を一手に受けていて、常にそれと比べられ両親から疎まれていた明からは妬ましい思いを抱かれていた。
青山 冷(あおやま れい)
彼岸島の吸血鬼達のメンバーと繋がっている人間の女性。明に篤の運転免許証を手渡す。後に明達の味方になり、彼岸島に赴く事になる。師匠の義娘。
青山 紅葉(あおやま もみじ)
冷の妹。雅に捕まっていたが、明に助けられる。最初は和服だったが、動きやすい洋服に着替えた。冷の妹なのでスカートが良く似合う(明 談)。車の運転は荒い。師匠の家族の唯一の生存者。
青山 楓(あおやま かえで)
冷の妹。師匠の養女になった。
涼子(りょうこ)
篤の婚約者。明達が彼岸島に来る二年前、病院で篤の目の前で雅に陵辱された挙句殺され、篤が雅に復讐する事を誓うきっかけとなった女性。
青山 龍ノ介(あおやま りゅうのすけ)
明と篤の師匠。年齢不詳。作中の登場人物には基本的に「師匠(ししょう)」と呼ばれる。吸血鬼達に対する抵抗組織(レジスタンス)のリーダー。巨大な体躯(たいく)と怪力の持ち主。巨大な岩を持ち上げ、数十メートルもの距離まで投げ飛ばしたり、他の仲間が逃げることしか出来なかった邪鬼を相手に戦ったりと、戦闘力は非常に高い。
田中 ナオト(たなかなおと)
「あしなが婆さん」と呼ばれる邪鬼に襲われるも間一髪逃げ延び、ロッカーの中で隠れている所を明に発見された中年。「足なが婆さん」の命名者でもある。実は邪鬼使いで、「足なが婆さん」は彼の母親であった。
井上 典子(いのうえのりこ)
青山龍ノ介(師匠)が人間になったことを教えてあげた少女。後に冷を生み、龍ノ介の妻となる。
<吸血鬼と鬼たち>
雅(みやび)
明と篤の宿敵。彼岸島の吸血鬼の頭領にして、彼岸島の吸血鬼一族の生き残りの1人。感染型吸血鬼の始祖。篤と涼子の恩を仇で返し、吸血鬼ウイルスを島中に蔓延させ、彼岸島のほとんどの島民を吸血鬼にした張本人。
五十嵐 一郎(いがらし いちろう)
大日本帝国陸軍(日本軍)の軍医中佐。「五十嵐部隊」の隊長。「彼岸島ニオケル吸血病ノ報告」という報告書を書いた人物。約60年前(昭和17年)、日本軍を率い、当時島に棲息していた吸血鬼を兵士として利用しようと彼岸島に上陸する。
斧神(おのがみ)
黒山羊の被り物と丈の長い腰巻きをした吸血鬼。混血種吸血鬼(アマルガム)で、身長は師匠と同程度。本名は村田藤吉。吸血鬼になる前はレジスタンスに所属。師匠と師弟関係にあり、篤とともに修行していた。戦いのさなか感染し、吸血鬼になっても雅を倒すために吸血鬼側につくが、雅の思想に共鳴し忠誠を誓う。
まり子
五重塔内の鏡張りの部屋の門番を兼ねる、大きな顔面の大半を占める巨大な一つ目が特徴の女吸血鬼。この一つ目は縦に閉じるようになっており、その右側には小さい目玉が一列に並び、さらに目のすぐ下に大きく裂けた口があるという斧神の素顔にも負けない醜怪な顔をしている。他には長い手と黒髪、和服姿という特徴もある。部屋の中に入り込んだ者を捕まえて拷問するのを生き甲斐にしている
姫(百足型)
その名の通り、炭鉱内のお姫様。初の女性型邪鬼。五十嵐中佐の皮肉によって「姫」と名付けられる。巨大で長い体躯で、普段は炭鉱の螺旋階段の空洞に潜んでいる。若い女性の顔を持ち、頭部にそれと別な巨大な口があり、百足の形をした体、その表面に無数の乳房、背面には背骨、側面の左右には数え切れない程の人間の腕があり、百足や馬陸のような風貌である。乳首からは母乳を噴き出すが、その主成分は硫酸である。
足なが婆さん(蜘蛛型)
その名の通り、足が長い老婆の姿をした女郎蜘蛛(絡新婦)の姿をした邪鬼。胸からとても垂れた乳房が垣間見える。額には5つの蜘蛛の目があり、歯茎から牙を出す。尾と口から糸を吐き、尾は麻痺性の毒針にもなっている。人間を糸でぐるぐる巻きにしてから食べる。元は村一番の美人である田中美香子であり、川の水を飲んだ際に吸血鬼ウイルスに感染、息子のナオトに匿われていた。
蛇の邪鬼
水上の村に出現。蔵に幽閉した師匠を監視するため配置されていた。体長は数十メートルで、身体を伸ばすと蔵の天井を軽く突き抜けるほどである。舌には多数の人の顔があり、相手を嘲るような笑い声を上げる。刺激しなければ大人しいのだが、非常に敏感で水溜りに足を踏み入れた際の水音に反応するほどである。
満腹爺
地獄谷の地下洞窟に封印されていた邪鬼。人間型だが、頭は2つあって腹が非常に大きい。腹以外は白骨化したかの如く痩せこけている。食欲旺盛であり、「いつも腹が減っているようだから」という理由で吸血鬼たちから満腹爺(まんぷくじじい)と命名された。腕が非常に長く、どこまでも伸びる上に指も6本に発達している。視力はほとんどないらしく、匂いで獲物を見つけて捕食する。
チワワ様
雅のペット。なまはげの顔と虎のような胴体、人間の後肢を持った巨大生物。島はずれの岩島上に立つ五重塔の中に棲息している。前述の通り四足歩行をする獣じみた邪鬼だが、人の脚部が残っており、これも人間から変化した個体のようである。雅配下の吸血鬼からは「チワワ様」と呼ばれており、犬のチワワとは関係なく、それが名前。首の関節が無いかのように(あるいは、そもそも胴体と繋がっていないかのように)頭部だけを高速で回転させる事が可能。