帝愛の兵藤会長の息子・和也と、負ければ命を落とすリスクのある大勝負に臨むこととなったカイジ。
まず会員制のレストランに連れていかれ、そこで行われる残酷なゲームショーを見せられることとなる。
人間の本質を暴くために和也が考案した友情確認ゲーム「救出」に挑むこととなったのは、債務者の光山・チャン・マリオの3人。
くじで階段状に設置された座席に座り、ベルトを締めたらゲーム開始。
抽選で誰かのヘルメットのランプが光り、その救出者が制限時間内にベルトを解除して前方にある救出ボタンを押せばクリアというもの。
ただし、ヘルメットには大音量の音楽が流れているため互いに話はできず、また制限時間1分をオーバーするとヘルメットが圧縮して残り2人の頭蓋骨が粉砕、命を落とすリスクもある。
クリアを重ねるたびに賞金は倍増するが、制限時間のうち最初の30秒以内に解放ボタンを押したら失格・賞金没収という条件つき。
コミュニケーションが取りづらいなか、自分が救出者なのかを推理し、決められた時間内に冷静に行動できるかを試されるゲームだった。
手探り状態で始まるなか冷静なチャンの機転で挙手によるカウントダウンという即席のサインが意思を繋ぎ、3人はこのゲームの攻略に希望を見出す。
一丸となってクリアを目指す3人だが、成功でも失敗でもなく失格した場合は「唯一の生存者はその時点での褒賞金の倍額を得る」というルールが明かされ、11回目のゲームで救出者である光山のベルトが外れないアクシデントでパニックに突き落とされる。
「光山が仲間を見捨てようとしたのでは?」という疑念と誤解が生まれ、3人の間に亀裂が入りながら臨んだ12回戦、救出者は最前列のマリオ。
しかし裏切りと死の恐怖を味わったばかりのマリオはふと制限時間をカウントするのを忘れてしまい、パニックに陥ってしまうのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ギリギリでクリア
マリオが手を挙げたとき、すでにカウントは53秒。
上の2人に押す意思を伝えるため、ここからゆっくり始まるカウントダウン。
光山とチャンがもどかしさで身をよじるなか、マリオがベルトを解除したのは残り2秒。
しかしここからがマリオは速かった。
全力でダッシュし、解放ボタンを押す。
手元の時計のカウントは1分1秒、かなり際どいタイミングとなるが、結果はクリア。
1分0.99秒までは1分0秒として計算される時計の仕組みに助けられ、なんとか窮地を脱したのだった。
疑心暗鬼が加速していく
しかしこのマリオの行動は光山とチャンの不信感を煽った。
時間をわずかにオーバーするミスを演出して2人を殺すつもりだったが、ギリギリで間に合ってしまっただけなのではないか、という疑念。
落ち着く間も与えずに13回目のゲームが始まる。
殺さなきゃ殺される、そんな考えが光山とチャンを包んでいく。
ところがゲーム開始の直前、マリオは光山とチャンに涙目で必死に訴えかける。
言葉はヘルメットの音楽に遮られていても、その顔と涙に嘘はなく、マリオに殺意がなかったことを2人は悟った。
マリオの行いでなんとかムードを持ち直すのだった。
唯一冷静なチャン
13回目ゲームの救出者は中段のチャン。
しかし一番下の段のマリオは今度こそ失敗できないというプレッシャーに動転し、またパニックを起こしてしまった。
過呼吸を起こし、顔は真っ青。
いつの間にゲームは始まり、焦ったマリオは18秒という早すぎるタイミングでカウントダウンを始めてしまった。
それを見た光山とチャンは焦る。
先着1人しかベルトの解除ができないため、救出者でないマリオが解除すればゲーム失敗、2人は死亡が確定。
そうこうしているうちにマリオがベルトの解除ボタンを押してしまった。
呆気ない幕切れかと思われたが、間一髪で先にベルトを解除したのはチャン。
最上段の光山があの状況で動かなかったのは救出者ではなかったからと推理し、解放ボタンの前で時間を潰す。
冷静さを貫いたチャンに救われた形だが、解放ボタンの前で立ちすくむチャンの姿がまた新たな疑念を呼んでしまうのだった。
葛藤と戦うチャン
チャンにとっても時間を潰すうちに邪な考えが忍び寄る。
光山とマリオに殺されかけたことを考えると、今自分が2人を助けて次のゲームに進むことは賢明なのか…。
これまではアクシデントやハプニングによる危機だったが、初めて訪れた思考による異変。
しかしチャンはそう考えて人を裏切るように仕向けるのがこのゲームの核心だと見抜き、ゲームへの反抗を込めて思いとどまる。
涙ながらに自分の考えと2人を信じようとするチャン、下した決断は果たして…。
【6巻のまとめ】
マリオが2度立て続けにパニックを起こし、ギリギリの状況が続く。
唯一冷静な行動で助けるチャンだが、「自分が2人を助けて次のゲームに進むのは賢明なのか」という葛藤を抱えていた。
人を裏切らせるのがこのゲームの核心と自分に言い聞かせ、ゲームへの反抗を込めて光山とチャンを信じようとするチャン。
救出者に選ばれながらボタンの前で迷うチャンが下した決断は…。
次巻へ続きます。
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