幼いころから父に虐待され、母は薬物中毒という両親を持つ少年・芥生リクは借金取りの元プロボクサー・所沢京介と出会い、ドン底の人生に自らの生きる道を見出す。
理不尽に満ちたこの世界で、人は何をよすがに生き抜くのか。戦うのか。人生という茨の道を歩む芥生リクの拳闘ストーリー。
少年には何もない。その拳以外は。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
目次
幼いリクと所沢の出会い
ヤクザの所沢が借金の取り立てに芥生という男の家に押し入る。
家の中では芥生が首を吊って自殺しており、その幼い息子であるリクが父親の死体をサンドバックにして殴っていた。
〈父の死体を殴るリク [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
普段父親から虐待を受けていたため同じことをやり返しているというのである。
元ボクサーでもある所沢はリクにパンチの打ち方を教え、これがリクの人生を変えることとなっていく。
〈所沢にパンチを教わる [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
リクが起こした殺人事件
リクの母親、春子は薬物中毒で葉桜というヤクザの愛人として同居している。
幼いリクは母との生活を望んだが、母は薬への誘惑に勝てない。
そして葉桜に危害を加えられそうになると、リクは本能で葉桜のアゴに拳を降りぬいた。
〈防衛本能から拳を振りぬくリク [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
脳震盪を起こし崩れ落ちた葉桜をリクは灰皿で殴打して殺してしまい、母はその男の同居人として逮捕。
リクは保護されることとなった。
事件はニュースにもなり、退院したリクは様子を見に来た所沢と再会を果たす。
所沢はリクにボクサーの才能の片鱗を見出し、ボクシングのグローブと矜持をプレゼント。
〈所沢からプレゼント [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
リクはカウンセラーの江沢という若い女性に引き取られ、養護施設に入ることとなった。
トラウマとなる事件発生、力を求めた先はボクシングジム
江沢に優しく育てられ、他の孤児らとの施設での生活にも慣れていくリク。
しかし葉桜を殺された恨みをもつヤクザに襲われてしまい、自分を庇って江沢がレイプされ、処女を散らされてしまう。
〈目の前で江原が強姦される事件 [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
大切な人を守ることすらできず、優しさではなく力を求めるリク。
そこに姿を現した所沢が助けに入り、リクは本格的に所沢に教えを乞う。
泣きながら強くなりたいと願いリクの姿を見て、所沢はかつて自分が所属していた馬場ジムを勧めるのだった。
〈強くなりたいと願うリク [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
馬場ジムでトレーニングに励むリク
廃れた街にあるジムに案内され、会長である馬場と対面するリク。
馬場は所沢との再会を喜ぶ一方で気乗りしていなかったが、リクの才能を見抜き稽古をつけることを決めた。
〈リクを預かった馬場 [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
施設でリクと共に育った苗代ユキという少女は不在がちになたリクを心配するが、リクはそのままトレーニングに励み育っていくのだった。
プロテストに合格
7年経ち、高校生になったころ。リクは「人殺し」、苗代は「人殺しの同居人」と噂され、陰湿なイジメを受けている。
苗代はリクの身を案じてボクシングをやめさせようとするが、リクは聞く耳を持たず、順調に強くなっていた。
〈高校生になったリクと苗代 [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
あれから一度、離れ離れになった母に会いに行ったが、薬物依存の後遺症もあってか、母はリクの顔を見て錯乱してしまい、まともに会話すらできなかった。
母への恋慕は断ち切られたリクは、そのままプロテストを受ける覚悟を固める。
そして選手を一方的に追い込む馬場の方針もあり、アマチュアボクシングを経ずにC級のプロテストを受けることとなったリク。
暴走族上がりの相手に臆することなく一蹴し、無事に合格をつかみ取った。
〈プロテストに余裕の合格 [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
所沢への憧れを胸にデビュー戦へ
金やコネがなくマッチメイクに苦しむ馬場。
それでもリクには目標があった。
憧れの所沢が自分と同じライト級で持っていたOPBF(東洋太平洋)のチャンピオンベルトである。
〈リクの目標 [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
ところがその目標を聞いた所沢からは「もう自分とは関わるな」と告げられてしまう。
ヤクザと近づきすぎてはプロとしてのキャリアを潰しかねないという配慮からくるものだったが、リクはショックを隠し切れない。
〈所沢は距離を置こうとする [リクドウ 1巻](c)集英社/松原利光〉
しかし感情とは裏腹にパンチのキレは増していき、プロとしてのデビュー戦に向かうのだった。
【1巻のまとめ】
父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
ヤクザを殺してしまい幼くして入所した児童保護施設でも面倒を見てくれた先生が目の前で強姦されるというドン底を味わった少年リク。
ヤクザでありながら元王者の所沢との出会いをきっかけに、その姿を追ってプロボクサーとなった。
目標は所沢の持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
しかしその所沢からは「もう自分とは関わるな」と告げられてしまう。
ショックとは裏腹にリクのパンチはキレを増していき、プロとしてのデビュー戦に臨むのだった。
次巻へ続きます。
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