職場でも家庭内でも立場がない冴えないサラリーマンの犬屋敷壱郎は、ある日犬の散歩中に高校生・獅子神皓と共に宇宙人の事故に巻き込まれ、機械の身体となって蘇った。
記憶と意識はそのままに、身体のなかが勝手に機械に置き換わったことで超次元の能力を手に入れた犬屋敷だが、自分が自分ではなくなったような感覚に襲われ、自分の存在意義について悩みを持つ。
同じく機械の身体となった獅子神はイジメられて不登校になった親友の安堂を気遣いながらも、連続民家襲撃事件を起こすなど他人を殺すことで生を実感するように。
一方の犬屋敷は「一人でも多くの人を救う」という行為に自分の生きる意味を見出し、さらに自分に治癒能力が備わっていることに気づくと、重い病に苦しむ人を救うために病院へ足を運び治癒の輪を広げていく。
そして獅子神の暴走に恐怖を感じた安堂は獅子神を止めるために犬屋敷に接触し、自ら協力者となることを申し出て、行動を共にするようになった。
その頃、獅子神は独り身の母を支えるために大金をせしめ、裕福な暮らしを手に入れるが、その幸せは長くは続かない。
連続民家襲撃事件の犯人として特定され警察や特殊部隊が自宅に押し入り、獅子神は何とか逃走するも指名手配されてしまう。
獅子神に片思いするクラスメイトの渡辺しおんが獅子神を匿い一度は獅子神を改心させるも、そのしおんまで傷つけられたことで、獅子神は再び凶行に走る。
自分達の安全を手に入れるためには日本を滅ぼすしかないとの考えにいたり、警察をはじめ一般大衆の虐殺を開始。
日本という国家を相手に宣戦布告するのだった。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
日本中にパニックが広がる
獅子神による銃撃が始まった新宿ではパニックが起きる。
〈パニックが起こる [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
お昼のニュース番組でも乱射の速報は入り、屋内への避難が促される。
誰も外にいない異様な光景のなか、今度は獅子神がTV局に生電話。
国民を代表して啖呵を切った司会者を生放送中に撃ち殺し、パニックが日本中に広がった。
司会者が生放送中に殺されたことで、獅子神がスマホ経由で犯行に及んでいる可能性に安堂が気づく。
〈必死に止めようとする安堂 [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
すぐさま犬屋敷の力を借りて「スマホから離れろ」という警告を流す安堂。
しかし獅子神の銃撃は止まらない。
いてもたってもいられず犬屋敷が現場である新宿に向かおうとしたとき、100人殺し終えたことで獅子神は試験運転の終了を告げ、翌日から1日1000人殺すと宣言。
〈止まらない獅子神 [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
全員のスマホに警告が流れたことにより、日本には獅子神に対抗するヒーローが居ることが知れ渡る一方で、その警告の発信主が親友の安堂だったことに獅子神は複雑な心境となるのだった。
獅子神に対峙する犬屋敷
しおんが殺戮を止めるよう泣きながら懇願するが、日本人全員を殺しつくすまで自分としおんに安心は訪れないと考える獅子神。
翌日を迎えまだどこか危機感の足りない大衆が外出し、麻里も友達と都庁の展望台に遊びに行くなか、獅子神がまた動き出した。
東京上空を飛ぶ飛行機をジャックして次々と墜落させる獅子神。
〈獅子神がテロを起こす [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
平和だった街が一転して地獄絵図と化していく。
機内の阿鼻叫喚が聞こえてくる中、犬屋敷が上空に急行。
〈犬屋敷が奔走 [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
墜落しそうな飛行機に遠隔操作を試み、また機体に取りついて次々と浜辺に不時着させていった。
なんとか飛行機の不時着に成功し、胸を撫でおろすのも束の間。
犬屋敷のもとに麻里から電話があり、都庁が火事で展望台に取り残されていることを知る。
〈娘が窮地に [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
助けを求める娘のもとへ向かいたい犬屋敷だが、そこに獅子神が姿を現した。
ここで初めて、犬屋敷が自分と同じ身体をもって自分の邪魔をしていることを確信する。
他人を救うことで生を実感する犬屋敷と、他人を殺すことで生を実感する獅子神。
〈獅子神と犬屋敷が対峙 [いぬやしき 7巻](c)講談社/奥浩哉〉
対照的な2人の直接対決が始まるのだった。
【7巻のまとめ】
獅子神は無差別の虐殺を開始し、パニックが広がっていく。
その凶行を止めるべく犬屋敷が立ち上がるが、火事が発生した都庁の展望台に娘が取り残されていることを知る。
娘の救出を急ぎたい犬屋敷、しかしその前に獅子神が立ちふさがった。
他人を救うことで生を実感する犬屋敷と、他人を殺すことで生を実感する獅子神。
対極に立つ2人の直接対決が始まる―。
次巻へ続きます。
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