学校にも家庭にも居場所がない高校生の神代ユウは、あるきっかけでボクシングのワンツーを独学で覚え、いつしか不良たちを撃退する実力をつけ始めた。
その噂は「不良狩りのボクサー」として広がっていき、さらに強い者たちに狙われるユウ。
柔道使いの岩戸や街のカリスマ 伊沢マサキに導かれながら、自分の存在を賭けて更なる戦いに身を投じていく。
代沢高の空手使い 緑山ショウゴとの決闘を経て友人関係となり、親友のシンイチと3人での楽しい時間を手に入れたユウ。
しかしそれも束の間、シンイチがヤンキーたちに襲われ、ユウとショウゴは主犯格の加藤・八木に強い復讐心を抱く。
復讐を始め連戦のなかで技を磨き上げていくユウは、ショウゴから教わった必殺技を武器についに加藤とのタイマンを制した。
しかし怒りは収まらず、暴走するユウはヤンキーたちとの全面戦争に向かってしまう。
事態を収拾するため乗り出したマサキをも逆恨みし、誰の言葉にも耳を貸さないユウ。
もはや拳で語り合うしかない―。
マサキはユウを力尽くでねじ伏せるためタイマンに及び、圧倒。
しかしユウもまた必死に反撃し、渾身のハイキックが初めてマサキにクリーンヒットするのだった。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
マサキがユウを粛清
ユウのハイキックを受けて思わず膝をつくマサキ。
ダメージを抱えながらユウが攻めるが、マサキは絶妙なタイミングで攻撃を誘いつつカウンターを浴びせる。
最後は戦いの組み立て方を熟知したマサキが上回り、ユウをKOした。
〈マサキがユウをKO [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
いつの間にかギャラリーも集まってきており、ユウを狙うヤンキーたちがリンチを加えようとする。
ところがマサキはあえて全員の前で見せしめとしてユウに追い打ちを浴びせ、誰も文句を言えない空気にした。
〈追い打ちをかけるマサキ [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
戦いの技術も、場の収め方も思慮深いマサキによってユウはそれ以上傷を負うことなく、街には「不良狩りがマサキに粛清された」という噂が駆け巡るのだった。
マサキの苦悩を垣間見る
傷を負ったユウを自宅に匿い治療するマサキ。
頭が冷えたユウは、マサキの手首にリストカットの痕があるのを見つける。
〈マサキにリスカの痕が [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
いつも自信視満ち溢れたマサキの姿からは想像もできないような苦悩を垣間見たユウは、マサキの言葉を反芻しながら自分の無力さと悲しみに包まれるのだった。
わだかまりが解けていく
マサキに負けてから、ユウは再びヤンキーたちに絡まれるようになっていた。
それでもなぜか、身体は街に居場所を求めている。
自分の居場所を探して、寂しさを紛らわせようとするユウに心配したマイが寄り添う。
〈寄り添うマイ [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
マイはユウの背中を押し、シンイチと会うように勧めた。
久しぶりに学校に登校し、シンイチと再会を果たすユウ。
退院したシンイチは襲われた時の恐怖を口にしながらも、友人としてユウを温かく迎えた。
〈シンイチとの友情 [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
シンイチの言葉で心のわだかまりが解け、ユウは自分の居場所と仲間を自分で守れるほどの強さを身につけたいと願うようになっていく。
スランプに陥るユウ
依然としてヤンキーたちに絡まれるユウは相手を返り討ちにしようとするが、戦い方に異変が起きていた。
加藤やマサキと戦ったときのような鋭さと思い切りの良さが出せないのである。
〈苦戦するユウ [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
復讐に手を染めていた時はキレていたが、相手を傷つける心の準備ができておらず、どうしても身体に躊躇いが出てしまう。
大したことのない相手にも苦戦するようになり、ギリギリで勝つのがやっと。
弱くなった理由もわからぬまま、徐々に追い詰められていくユウ。
そんなユウを助けたのは岩戸。
岩戸はユウのパンチのフォームが乱れていることを見抜き、戦い続けるユウの背中を押すのだった。
〈岩戸のアドバイス [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
マサキとの再会
不良狩りの粛清もマサキに横取りされ、メンツを潰されたことを根に持つ世田商。
剣道有段者のタカを担ぎ上げ、先にマサキを潰すことを画策する。
一方のユウは岩戸のアドバイスを経てマサキと再会し、自ら仲間になって助けることを申し出ながら教えを乞う。
〈マサキを頼るユウ [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
マサキはユウのパンチに圧力がないことを指摘したうえで、「なぜ拳に頼るのか」と問いかける。
暴力がさらなる暴力を呼ぶのは明白。
マサキ自身も答えを見出せない問いかけに、ユウはどんな答えを見つけるのか―。
〈マサキの問い [ホーリーランド 6巻](c)白泉社/森恒二〉
【6巻のまとめ】
ユウとマサキのタイマンは、実力で上回るマサキの勝利。
見せしめを兼ねてユウを痛めつけ、マサキは事態を収拾してみせた。
頭が冷えたユウはマサキの苦悩を垣間見ながら、自分の居場所や仲間を守れるほどの強さを強く求めるようになる。
しかし待っていたのはスランプ。
以前のような鋭さと思い切りの良さが消えたユウは、岩戸とマサキを頼るのだった。
次巻へ続きます。
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