カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武(カモ)とその相棒である島田 虎信(トラ)のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
過去に復讐依頼をこなした相手から逆恨みされ、依頼を受けた朝食会の榎がカモとトラを対象に狙うことに。
しかしやり方は違えど社会の屑を憎む理念は同じ。
榎は復讐依頼を受けるのを取りやめ、一時はカモとトラを捕らえるが解放した。
一方、ゴアゴアコミックの編集者として過ごしていた園田、漫画家志望で同性愛者の男から好意を持たれ、いつしかストーカーされるように。
だが園田は未解決である練馬区一家殺人事件の真犯人のサイコパスであり、ストーカー化した男を返り討ちにするのだった。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ストーカー化したファンに人生を狂わされた元アイドル
元アイドルの山里かんなは小さな芸能事務所で子供の頃からの夢だったアイドル活動をしていたが、ある熱烈なファンに雑な対応をした結果ストーカー化し、1年前にアイドルを辞めることとなった。
そのファンは同じアイドルグループの別の子を推すようになり、かんなに対する誹謗中傷をエスカレート。
SNSに投稿した写真から最寄り駅や自宅を特定、地元や出身校、家族のことまでプライベートなこともネットに拡散され、かんなの姉は特定されたSNSでの派手な遊びなどがバレてテレビ局のアナウンス部への内定を取り消されてしまう。
母もこっそりと赤裸々に書いていたブログでのW不倫関係などを拡散され、不倫相手の妻から法外な慰謝料請求、そして父は妻に裏切られ会社でも後ろ指を指されたたショックでビルから飛び降り、今も意識は戻っていない。
いつも支えてくれた優しい父が重体、母は父と離婚して音信不通、姉は内定を取り消された恨みでかんなと絶縁し、かんなもアイドル事務所から体よく解雇と、人生を大きく狂わされてしまった。
今は父の入院費用を稼ぐために風俗のバイトもしているが、警察や弁護士らは相談しても対応はしてくれなかった。
行き場のない怒りを抱えたかんなは朝食会を頼り、榎加世子がその想いを汲んで復讐プランを立案することになるのであった。
復讐依頼を受けた榎が珍しくミスを犯す
榎はIPアドレスの開示請求から犯人のプロバイダを特定し、裏ルートでそのプロバイダ会社の従業員で弱みのある者を調査する。
そして1人が借金を抱えていることを突き止めると、同額の報酬を持ちかけて犯人のメールアドレスを入手。
ここまで来ればあとは名簿業者を使って個人を特定し、東 幸則というオタクの男が犯人であることを突き止めた。
榎はかんなにすぐさまその犯人の事を報告し、2日後に復讐を決行するシナリオであることを告げる。
ところがかんなは復讐を1週間後に延期し、3日後に単独でその犯人の家に押し入った。
かんなは榎からの報告を受けた場で男の名前や情報を覚え、自分で興信所を使って住所を特定していたのである。
どうしても怒りを抑えきれなかったかんなは催涙スプレーで男が悶えているところを金属バットで何度も叩いて撲殺。
連絡を受けた榎は頭を抱えながら、現場の処理のために朝食会を頼ることに。
榎に好意を寄せている関口に借りを作ることとなるが、その手配した特殊清掃員が近隣住民にバレないように部屋を綺麗に掃除。
事なきを得たものの、榎はかんなの気持ちを推し量れなかった自分を責めて涙するのであった。
非モテをこじらせた男の淡く歪んだ恋
冴えないフリーライターの中野殿という男は恋愛や男女関係において女性の方が圧倒的に優位であるという思想をこじらせていた。
自分がどう足掻いても女性とヤれないと自暴自棄になりかけていたところ、偶然にも自分の好みの女性・神谷 綾子と街ですれ違う。
中野殿は衝動的に綾子を脅迫し、自宅に拉致、裸にして拘束し、性行為に及ぼうとする。
しかし緊張から行為をすることができず、一方の綾子も中野殿が勇気を振り絞っていることを察知して優しく接した。
いつしか恐怖も無くなっていた綾子は逃げ出すこともなく、奇妙な同居生活が続く。
綾子に本気で好意を抱くようになっていた中野殿は、大金をはたいてまでコンプレックスである真正包茎を手術で治すことを決意したが、5日後には綾子の両親から通報を受けて警察が踏み込み、逮捕されてしまった。
綾子は中野殿を庇おうと「自分の意思でついていった」と供述したが、中野殿が自供したことで有罪が決まり、懲役2年の実刑を食らうことに。
綾子の父親は娘を洗脳した相手に復讐すべくカモとトラのもとを訪れ、「二度と娘に近づかないようにしてもらいたい」と依頼する。
が、カモは肝心の綾子本人に暴行や傷がないこと、そして綾子が望んでいないことを理由に復讐依頼を断った。
そして刑期を終えた中野殿が出所。
もう一度綾子に会うべく、引っ越して連絡の取れない状態から興信所を使ってようやく現在の住所を突き止め、その家へと向かう。
ところが綾子は既に彼氏と思わしき男と同居し、幸せそうに暮らしていた。
自分には見せたことのないような綾子の笑顔を見て自分のやり方が間違っていたことを思い知った中野殿は、カモたちからの制裁を受けるまでもなく綾子への想いを諦めるのであった。
【7巻のまとめ】
ストーカー化したファンにSNSで個人情報を晒されて人生を狂わされた元アイドルが朝食会の榎に復讐依頼を出す。
榎は犯人を特定し復讐計画を立てるが、犯人の情報を伝えたがゆえに依頼人が暴走し勝手に復讐を果たしてしまった。
珍しくミスを犯した榎は事後処理に他の朝食会会員の関口に借りを作ることとなり、これが後に別の展開を呼ぶこととなる。
その他、非モテをこじらせて道端で出会った女性を拉致監禁した男の歪んだ恋が破れるエピソードを収録。
次巻へ続きます。
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