鬼龍との決闘を経て廃人となってしまった父・静虎が2年間のリハビリを経て奇跡的な回復を遂げた。
地下格闘技「ダーク・ファイト」に身を置きながら治療費を稼いだキー坊は、親友であるリキ丸の計らいで大物フィクサーの柳場道元が主宰する「ハイパー・バトル」へ出場。
決勝では鬼龍の実子ジェットとの死闘を制したキー坊は、大物フィクサーの御子神が主宰する「モンスター・ウォーズ」をはじめ新たなる戦いに身を置くこととなる。
静虎と鬼龍の兄・尊鷹が生きていたこと、そしてキー坊の実の父親が静虎ではなく灘神影流と同じ祖をもつ幽玄真影流の当主・日下部覚吾だったことなど新たな真実が明らかとなった。
自らの出生の秘密を知りながらもキー坊は灘神影流の当主として戦う決意を固め、宮沢3兄弟も当主を支える。
その頃、時を同じくして覚吾も帰国を果たし、幽玄死天王の4人は次期当主の座を灘神影流との戦いぶりを見て決めることとした。
いったんキー坊と覚吾はトップ同士停戦に合意するも、戦いの運命からは逃れられず、静虎が覚吾に敗れ、鬼龍もまた春草に恐怖を植え付けながらも倒れた。
一連の闘いで幽玄真影流との決着をつける宿命を悟ったキー坊は、その後姿を消した覚吾を追って「天狗様」こと真魔流体術総帥・竹神栖鳳の棲む鬼喰島に上陸する。
真魔流の師範代・夢二の了承のもと、キー坊は過酷なレース「修羅場くだり」を乗り越え天狗様への接見の権利を勝ち取った。
この天狗様の正体こそ覚吾本人であり、残されていた置手紙には決闘の場所が記されていた。
場所は日本武道会の大重鎮・不知火の私邸。
不知火が立ちあう前で、キー坊と覚吾の命懸けの真剣勝負が始まるのだった。
38巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
大勢が見守るなかキー坊と覚吾の決闘が始まる
幽玄死天王や金時・尊凰・鬼龍・静虎の宮沢一族も2人の決闘を見届けるために不知火御殿へ姿を表し、さらにインターネットで生配信されることに。
〈決闘が始まる [TOUGH 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
多くの人が見守る中、キー坊が純粋な尊敬の念だけで覚吾に挑む。
2人の気迫で張り詰めるような緊張感の中、互角の攻防が繰り広げられる。
先に仕掛けようとしたキー坊を得意の幻突で迎えうてば、キー坊も打撃のラッシュで上回り覚吾に着実にダメージを負わせる。
勢いはキー坊にあったが、それでも覚吾の方が熟練度は上。
〈覚吾の手刀がキー坊に刺さる [TOUGH 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
畳を起こしてキー坊のパンチを防ぎながら、鋭い貫手で畳ごと貫き、キー坊の脇腹を深く刺した。
しかしキー坊も簡単には負けない。
追い打ちをかける覚吾に対し、キー坊は、空眼の目付けで覚吾の動きを全て見切り、塊貫拳で今度は覚吾からダウンを奪った。
〈塊貫拳の連打で反撃 [TOUGH 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
血を流しながら倒れる覚吾。
あまりにも攻撃をもらい過ぎる覚吾らしくない展開、覚吾の中では何かが起きていた。
〈戦いにかける両者の想い [TOUGH 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
熹恵を想いながら闘う覚吾
キー坊と母・熹恵との運命的な出会いを果たした覚吾だが、妊娠を後に知りつつも武者修行のために生活を共にすることはなかった。
熹恵はそんな覚吾の意思を尊重して女手ひとつで産み育てることを決意したが、そこに癌が見つかり絶望の淵に立たされる。
〈絶望する熹恵を支えた静虎 [TOUGH 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
そして自殺しようとしたところを静虎に助けられ、2人は付き合い始めた。
しかしがんの闘病生活でいつしか心身のバランスを崩し、不幸にも交通事故に巻き込まれて命を落とす。
覚吾は数年後にそのいきさつを知り、キー坊が幼いころから見守ってきていた。
〈熹恵の姿をキー坊に重ねる [TOUGH 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
そして今、キー坊の面影に熹恵の姿を重ねながら戦っているのだった。
【38巻のまとめ】
宮沢一族や幽玄死天王をはじめ多くの人が見守るなか、キー坊と覚吾の親子による決闘が始まった。
熟練度で勝る覚吾に対し勢いで攻めるキー坊。
キー坊の母・熹恵を愛し、その死後も幼いキー坊を陰で見守っていた覚吾は、熹恵の姿をキー坊に重ねながら戦っているのだった。
次巻へ続きます。
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