兵庫県に住むキー坊は古武術・灘神影流の継承者で地元の不良や暴走族も敵わない高校生。
ある日キー坊は父・静虎に鍛えられながら様々な格闘家たちとの戦いを通じて奥義を会得していく。
灘神影流と過去に因縁のあるアイアン木場に惜しくも敗れたキー坊だが、その木場もキー坊と年齢の近い格闘家ガルシアとの2度にわたる試合に敗れ、命を落とした。
キー坊は決闘を経て戦友となったキックボクサーのギャルアッドもガルシアに壊され、キー坊はガルシアに激しい敵意を燃やすようになるなか、木場の遺言で開催された「地上最強のホモ・サピエンス」を決めるトーナメント・TDKに出場することが決まる。
ガルシアを始め有名格闘家が一堂に会する大会となり、”怪物を超えた怪物”と畏怖される実の父親との接見を願い闘うガルシアと静虎をセコンドにつけ奇跡的な勝ち上がりを見せたキー坊が決勝へ進出。
ガルシアの実の父、"怪物を超えた怪物”の異名を持つ男の正体は静虎の双子の兄である鬼龍。
鬼龍は静虎に扮してガルシアのキー坊に対する敵意を煽り、さらにキー坊にも「殺しの烙印」をつける。
そして同じ灘神影流の血を引くキー坊とガルシアの決勝が始まった。
一進一退の攻防のなか、灘神影流の奥義でガルシアを追い詰めていくキー坊。
「殺しの烙印」をつけた鬼龍の技・蠢蟹掌を見よう見まねで放つと、ガルシアがたまらず2度目のダウン。
常人と比べて寿命が極端に短く肉体のタイムリミットを過ぎているというガルシアの致命的な欠陥も浮き彫りとなるが、最後の力を振り絞って反撃に出るガルシア。
マウントポジションを取り優位に立つが、勝利まであと少しというところでガルシアの肉体に異変が起こるのだった。
38巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
キー坊vsガルシア 決着
ガルシアが悶絶し始めたのは蠢蟹掌の影響。
隙を突いて体勢を入れ替え、ガルシアを絞め落としにかかるキー坊。
しかしガルシアも全身全霊で抗い、限界を超えて第3の筋肉を酷使。
両者一歩も譲らず、再び立ち技での戦いとなり、キー坊が2度目の蠢蟹掌を放つ。
〈2度目の蠢蟹掌 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
蠢蟹掌の2度打ちは相手を死に至らしめる禁断の技。
全身の穴から血を噴き出したガルシア。
それでも死力を振り絞った渾身のパンチがキー坊の顔面を捕え、キー坊は一撃で失神。
〈死闘決着 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
衝撃的なKOでガルシアが優勝を手にするのだった。
ガルシアの死
意識不明の重体となったキー坊はそのまま緊急搬送される。
そして優勝賞金200億円を手にしたガルシアも間もなく力尽きて倒れ、病院へ。
静虎の祈りが通じキー坊は無事に一命をとりとめるが、ガルシアは帰らぬ人となってしまう。
〈ガルシアが死んだ [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
死因は心不全だが、キー坊が放った2度の蠢蟹掌がガルシアを死に至らしめてしまったのである。
なかなかガルシアの死を受け入れることができないキー坊の前に鬼龍が姿を現し、「お前が殺したんだ」と非情な真実を告げる。
〈鬼龍の非情な宣告 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
キー坊は自分の技が人を殺したというトラウマを抱え、静虎は2人で灘神影流の里へ帰ることを決めるのだった。
里帰りする静虎とキー坊
意図せず従兄弟の命を奪ってしまったことに激しい後悔を抱えるキー坊。
静虎はその罪を受け止めながら、「苦しみも悲しみも全て背負って生きていかなければならない」と説く。
〈贖罪を説く静虎 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ガルシアの骨を納めた一族の墓の隣にはいかなる苦境にも逃げずに戦い抜いた宮沢家の長兄・尊鷹の名が。
静虎は尊鷹の伝説を語り、キー坊の再起を促すのだった。
〈長兄・尊鷹の伝説 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
30年前、宮沢尊鷹が残した伝説
30年前、いまはダムとなったこの地に灘神影流の里があった。
当時はダム建設を巡って賛成派と反対派が激しく対立し、利権を巡って悪徳政治家とヤクザが結託してダム建設を強行しようとしていた。
〈ダム建設を巡る対立 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
容赦のない脅迫で反対派をねじ伏せようとするヤクザに反発した尊鷹は灘神影流の継承者として戦う覚悟を固め、ヤクザ相手にも正面から闘う。
まだ幼い弟の鬼龍と静虎が人質に取られた際には自ら落とし前として小指を噛み千切って場を納めるほどの器量の持ち主。
そんな尊鷹の姿を静虎が尊敬する一方、力ずくで圧倒すればいいと考える鬼龍は反発するのだった。
〈尊鷹の器量と反発する鬼龍 [高校鉄拳伝タフ 38巻](c)集英社/猿渡哲也〉
【38巻のまとめ】
キー坊とガルシアの決勝は死闘となり、最後は死力を振り絞ったガルシアのパンチでキー坊が失神、ガルシアが優勝を手にした。
しかし戦いの中でキー坊が放った二度目の蠢蟹掌が原因で、試合後にガルシアは帰らぬ人となってしまう。
ガルシアを殺めてしまったトラウマを抱えたキー坊の再起を促すため、静虎は灘神影流の里へ戻り長兄・尊鷹が残した伝説を語る。
30年前。ダム建設を巡って激しい対立が繰り広げられていたとき、灘神影流の継承者にして静虎と鬼龍の兄・尊鷹はヤクザを相手に正面から戦った。
そんな尊鷹を幼い静虎が尊敬する一方、鬼龍は反発し、それが後に悲劇へと繋がることになるのだった。
次巻へ続きます。
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