父に虐待され、母は薬物中毒で入院。
幼くして入所した児童保護施設でも性のトラウマを抱えながらも、ヤクザの所沢との出会いをきっかけにプロボクサーとなったリク。
目標は所沢が現役時代に持っていたOPBFのチャンピオンベルト。
幼少期のトラウマをバネにプロデビュー戦を圧勝し、その姿に同世代の天才ボクサー兵動も興味を示す。
高校3年を迎えたリクは同じ施設で育った苗代に告白され同棲生活を切り出されるも、心配をかけたくないと断りボクシングに集中する。
リクはライト級の王者、椿やその後輩である三原との出会いを経て、新人王戦の2回戦で兵動と激突。
兵動のカウンターをもらってしまい肋骨にヒビが入るが、「見えないパンチ」に勝機を見出し、激闘の末大金星を挙げた。
残念ながら新人王戦は怪我のためにここで棄権することとなったが、それでも兵動からの1勝はリクの名を轟かせるには十分。
同じライト級の三原や王者の椿らに合同合宿にも誘われ、ボクサーとしての輪も広がっていく。
次の相手はハードパンチャーのガーベラ、当たればダウン必至の左の大砲をもつ者同士が激突。
真っ向からのぶつかり合いはパンチ力で勝るガーベラが優位に立つが、耐えていたリクが馬場の合図と共にカウンターを繰り出しダウンを奪う。
一進一退となった試合の行方は―。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
ガーベラとの死闘に決着
スラムでの生活を思い返しながらガーベラがダウンから立ち上がる。
変わらず全力で拳をフルスイングしてくるガーベラに対しリクも正面から応じ、両者の左拳が激突してともに骨にヒビが入った。
〈左拳にヒビが [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
リクはそれでも壊れた左手でガーベラにパンチを繰り出し、ガーベラをKO。
血みどろの戦いはリクに軍配が上がった。
〈リクがTKO勝利 [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
試合後のインタビューでリクは不慣れながらもOPBFのベルトに賭ける想いを語り、兵動の父はそこに注目する。
ガーベラに勝ったことでリクはB級ながらも特別に日本ランク入りを果たした。
また、苗代を守り抜いたことでリクは改めて苗代と自分の気持ちに向き合い、同棲生活を始める決意を固めていくのだった。
三原の妹ナズナ
リクの左手のケガは全治5か月。
病院での診察の帰りにリクは三原の妹であるナズナと初めて出会う。
〈三原ナズナ [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
ナズナは婦警ながらも根暗で友達が少ない女性。
そのナズナの同僚である伏黒一希は警察官でありながらリクと同じライト級のプロボクサーで、リクの棄権した新人王戦の決勝まで勝ち上がっているボクサーだった。
〈警官ボクサーの伏黒 [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
逮捕され自分を見つめ直す所沢
手下の半グレの犯した殺人の罪を被り、所沢が逮捕された。
部下想いの所沢が罪を肩代わりした形であり、留置場に入れられている間、所沢は自分の生き方や気持ちを見つめなおす。
〈織のなかで心を整理する [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
組長がうまく事を治めて所沢は釈放されたとき、所沢の表情はどこかスッキリしていた。
新人王となった伏黒とその師匠である柳
ライト級の新人王戦の決勝。
リクはナズナと観戦することになり、伏黒を応援する。
また、椿がベルトを返上しOPBFに挑戦すると同時に、三原がそのベルトを賭けてモチベーションを高めていることがわかった。
三原の相手はベテランで8年前OPBFの王者だったの柳涼太郎。
〈三原の相手は元王者の柳 [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
肝心の新人王戦は、その柳の指導を受けている伏黒が緻密な動きと計算で手堅く勝利を挙げた。
派手な試合ではないが、堅実にポイントを奪いながら戦うのが伏黒のスタイルのようである。
柳は馬場の元門下生で、タイトル戦を前にして馬場の過剰な暴力を協会に訴えて大手ジムに移籍して禍根を残した過去を持つボクサー。
柳は三原とのタイトルマッチの前座を務める伏黒の対戦相手を探しており、リクの強さを見抜く目を持っている。
しかし伏黒はリクのビデオを見てリクの生き方に感情移入し、対戦相手に指名するのだった。
リクvs伏黒 馬場と柳の因縁の代理戦闘
警察署内で過去の事件の資料を調べていたナズナは、所沢が関わった児童養護施設の女性職員(江原)の暴行事件から遡り、幼いころのリクが殺人を犯していたことを突き止める。
そして試合の日。
前座のリクvs伏黒の試合が始まる。
攻めるリクに対して伏黒は柔軟なディフェンスでいなし、最小限の動きでリクの顎にカウンターを当てる。
〈伏黒の柔軟なディフェンス [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
その後も伏黒が着実にポイントを稼いでいく展開。
リクが伏黒のスキを掴んで放った渾身のパンチも、伏黒にブロックされてしまう。
〈渾身のカウンターもブロック [リクドウ 8巻](c)集英社/松原利光〉
伏黒の動きは柳が教え込んだもの。
2人の戦いは馬場と柳のトレーナーとしての戦いにもつながっているのだった。
【8巻のまとめ】
左拳にヒビが入りながらもガーベラとの死闘を制したリク。
特別にB級ながら日本ランク入りを果たし、苗代との同棲に向けて前向きに自分の気持ちを改めていく。
その頃、所沢も手下の罪を庇って逮捕され、拘留されている間に自分の今後の人生についてある決心を固めた。
リクは三原の妹であるナズナと出会い、その同僚である伏黒と対戦。
伏黒の師匠である柳は馬場ジムで問題を起こして出ていった因縁のある相手である。
馬場と柳、それぞれの指導を映すようにリクと伏黒の試合が進むのだった。
次巻へ続きます。
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参考ドン底の人生で見出した自分の生きるべき道はボクシングだった『リクドウ』全23巻【ネタバレ注意】
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