兵庫県に住むキー坊は古武術・灘神影流の継承者で地元の不良や暴走族も敵わない高校生。
ある日キー坊は父・静虎に鍛えられながら様々な格闘家たちとの戦いを通じて奥義を会得していく。
灘神影流と過去に因縁のあるアイアン木場に惜しくも敗れたキー坊だが、その木場もキー坊と年齢の近い格闘家ガルシアとの2度にわたる試合に敗れ、命を落とした。
キー坊は決闘を経て戦友となったキックボクサーのギャルアッドもガルシアに壊され、キー坊はガルシアに激しい敵意を燃やすようになるなか、木場の遺言で開催された「地上最強のホモ・サピエンス」を決めるトーナメント・TDKに出場することが決まる。
ガルシアを始め有名格闘家が一堂に会する大会となり、”怪物を超えた怪物”と畏怖される実の父親との接見を願い闘うガルシアと静虎をセコンドにつけ奇跡的な勝ち上がりを見せたキー坊が決勝へ進出。
ガルシアの実の父、"怪物を超えた怪物”の異名を持つ男の正体は静虎の双子の兄である鬼龍。
鬼龍は静虎に扮してガルシアのキー坊に対する敵意を煽り、さらにキー坊にも「殺しの烙印」をつける。
そして同じ灘神影流の血を引くキー坊とガルシアの決勝が始まった。
自分の父が鬼龍であることを知ったガルシアが一瞬動揺したのを見逃さず攻めるキー坊。
互角の試合運びとなり、天を突くようなアッパーでガルシアから今大会初のダウンを奪うのだった。
37巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
怪物ガルシアの生い立ち
ダウンしたガルシアを一気に攻めるキー坊。
ガルシアはその攻撃を凌ぎながら、幼少期の記憶を思い返していた。
アカデミーのトレーニングセンターで格闘技に精通する海兵隊のブレア軍曹と戦闘訓練させられたガルシア。
〈幼少期、ブレア軍曹との格闘訓練 [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ガルシアは子供ながらに本気で殺しにかかり、ブレアにボコボコにされる地獄を味わう。
それでも感情を表に出さず機械としてひたすら戦わせられ、ブレアを殺した褒美として「ガルシア」という名前を手に入れた。
〈怪物が生まれた日 [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
こうしてガルシアは怪物となったが、鬼龍はそのガルシアに致命的な欠陥があることを見抜いていた。
キー坊がガルシアを追い込む
キー坊の投げ技でガルシアの右肩が脱臼する。
脱臼はさすがのガルシアも自分で治すことができず、片腕のまま強引にボーン・トルネードを繰り出す。
不完全なロックから抜け出したキー坊は逆毒蛭で逆襲し、ガルシアのアバラの骨を折った。
力技でガルシアが逃れると、キー坊はあえてガルシアの肩の脱臼を治し、「ボーン・トルネードを完全な形で味わってみたい」と挑発。
〈ガルシアを挑発するキー坊 [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
まさかの行動にブーイングが起こるが、ガルシアはその望みどおりにボーン・トルネードの体勢に持ち込んだ。
人知を超えた力を発揮する「第3の筋肉」が覚醒している者でなければできない身体の捻じり方だが、キー坊もボーン・トルネード対策で第3の筋肉を覚醒させていた。
〈ボーン・トルネードに返し技を極めた [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
練り上げていた対策でボーン・トルネードを返し、逆に灘神影流の奥義・紐搦固めでガルシアの足関節を極めにかかる。
持ち前の柔軟性で逃れたガルシアに対し、キー坊は鬼龍の見よう見まねで掌底を放つ。
〈見よう見まねの蠢蟹掌 [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
するとキー坊につけられていた殺しの烙印がガルシアの胸に移った。
この蠢蟹掌(しゅんかいしょう)という技で身体の内部にダメージを負ったガルシアの動きが一気に鈍る。
ここぞとばかりに猛ラッシュを仕掛け、キー坊が2度目のダウンを奪うのだった。
〈一気にキー坊のペースに [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ガルシアが抱える致命的な欠陥
ガルシアが過剰な薬物投与の副作用や過酷な訓練、そして第3の筋肉の負担で短命であることを静虎も見抜く。
しかし鬼龍の言う「致命的な欠陥」とはそれだけではなかった。
〈ガルシアの抱える致命的な欠陥 [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
ガルシアは常人と比べてもともと寿命が極端に短く、既に肉体のタイムリミットを過ぎているようだ。
ガルシアも自分の身体の生い先が短いことを悟っており、キー坊にボコボコにされ意識朦朧としながら、自分が何のために闘うのか、生きる意味を自問する。
ガルシアが行き着いた答えは、「自分が確かに生きていたという証を残したい」という欲。
〈最後の力を振り絞るガルシア [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
優勝して灘神影流の継承者と認められることで自分の生きた証を残せると確信したガルシアが最後の力を振り絞ってキー坊に反撃。
両者満身創痍となりながら、マウントポジションを取ったガルシア。
しかしあと少しで勝利を掴めるというところで肉体に異変が起こり、ガルシアが突然悶絶し始めるのだった。
〈ガルシアの肉体に異変が [高校鉄拳伝タフ 37巻](c)集英社/猿渡哲也〉
【37巻のまとめ】
一進一退の攻防のなか、灘神影流の奥義でガルシアを追い詰めていくキー坊。
「殺しの烙印」をつけた鬼龍の技・蠢蟹掌を見よう見まねで放つと、ガルシアがたまらず2度目のダウン。
常人と比べて寿命が極端に短く肉体のタイムリミットを過ぎているというガルシアの致命的な欠陥も浮き彫りとなるが、最後の力を振り絞って反撃に出るガルシア。
マウントポジションを取り優位に立つが、勝利まであと少しというところでガルシアの肉体に異変が起こるのだった。
次巻へ続きます。
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参考これぞリアル系長寿格闘漫画の原点!『高校鉄拳伝タフ』全42巻【ネタバレ注意】
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