ヒトのなかにはその正体を隠しながらヒトを狩り、その死肉を食べる喰種が潜んでいる。
平凡な大学生カネキはリゼという喰種の臓器を移植されてしまい、ヒトから喰種になってしまった。
ヒトと喰種の違いに苦しむカネキだが、街の喰種たちが運営する喫茶店「あんていく」の助けを借りながら喰種の世界を学び始める。
カネキは「あんていく」で働きながら、店長や店員であるトーカたちから人間社会に溶け込む術や喰種としての特殊能力である赫子の使い方を学んでいく。
知り合いの喰種のヒナミがCCGの捜査官に狙われると、カネキとトーカが助けに動き、CCG捜査官の真戸や亜門らと戦闘に。
トーカはヒナミと協力して真戸を倒し、カネキは亜門と対峙して足止め。
喰種の本能に抗ってまで亜門を殺したがらないカネキの言葉に、亜門は今まで抱いていた喰種への考えを疑い始めた。
一方、カネキは美食家と呼ばれる喰種「月山」に目をつけられるも、トーカと共に何とか勝利する。
一件落着かと思ったのも束の間、20区にCCG本局から捜査官が増員され喰種を脅かし始めた。
カネキはリゼを探す最中に「アオギリの樹」に連れ去られ、反アオギリの喰種たちと出会うも、ヤモリという喰種から終わらない拷問を受け、ついに大切なものを守るために何かを切り捨てる覚悟を決める。
店長らがカネキの救出に動き、同時にCCGによる「アオギリの樹」掃討作戦が実行されるなか、覚醒したカネキがヤモリ、そしてアオギリの樹の幹部であるアヤト（トーカの弟）を圧倒しアジトを脱出。
だが「アオギリの樹」は掃討されたかに思えたものの、アジトに残っていた喰種たちは囮だった。
他方、脱出したカネキは「あんていく」に帰らないと決め、トーカたちに別れを告げた。
「アオギリの樹」掃討作戦から半年後、カネキは自分の執刀医であり人体実験をしているという嘉納の手がかりを掴み、ついに嘉納を見つけ出したカネキたちだが「アオギリの樹」に加入した鯱らに阻まれた。
嘉納を「アオギリの樹」に奪われたカネキたちに、CCGの捜査官たちが迫るが、共食いを続けたカネキは半赫者となって強い力を手に入れ、篠原を圧倒する。
しかし正気を失い仲間まで傷つけてしまう。
正気に戻ったカネキは深い後悔に苛まれつつも、店長の過去を知ったカネキは「あんていく」に戻る決断をする。
一方CCGは梟が2体いること、その片方が「あんていく」にいることを突き止め、CCGは「あんていく」を包囲し、梟駆逐作戦を決行する。
店長はトーカたちを四方に託し、古参スタッフと共にCCGと戦い始めた。
大切な仲間と店を守るため、カネキは制止を振り切り店長たちを助けに向かう。
最終巻のあらすじを振り返ってみましょう。
カネキ 対 亜門
亜門はカネキを必死に足止めするが、クインケを破壊され無力化されてしまう。
しかしそこへ新たなクインケが届けられ、亜門は再び立ち上がる。
想像以上の強い一撃を受けたカネキは一瞬正気を失い、亜門の腕を切り飛ばした。
しかし自分も重傷を負い、回復できないまま下水道へ逃げ込んだ。
リゼとヤモリの幻覚を見て発狂するカネキの元にヒデが現れる。
ヒデはカネキが喰種になったことに気づいており、それでも彼を受け入れて笑いかけた。
「もう一度だけ全力で戦ってくれ」というヒデの言葉を聞き、カネキの意識は途切れた。
カネキ 対 有馬
意識を取り戻したカネキは1人でルートV14にたどり着いていた。
そこには伝説の捜査官「有馬」が待ち構えており、カネキと落ちあうはずだった仲間たちは全員殺されていた。
カネキは懸命に立ち向かうが手も足も出ず、倒されてしまう。
薄れていく意識の中でカネキは自分の生涯を振り返り、自分が母親と同じ「自分自身を守りたかっただけの小心者の怖がり」だったと気づく。
そしてリゼに鉄骨を落とした「ピエロ」の存在を思い出すが、カネキにとってはもう意味のないことだった。
隻眼の梟
店長は徐々に追いつめられ始める。
しかし捜査官たちのダメージも大きく、鈴屋は片足を、黒磐は片手を失った。
猛攻の末、法寺からの一撃を受けた店長は倒されたかに思えたが、そこへ「隻眼の梟」が現れる。
梟が篠原をいたぶるのを見た鈴屋は、失っていたはずの感情を爆発させる。
鈴屋と駆けつけた特等捜査官たちの猛攻が時間稼ぎとなり、カネキを倒した有馬が梟の元に駆けつけた。
有馬の猛攻を受けた梟は、店長を飲み込んで逃げ出した。
戦いを終えて
植物状態となった篠原をはじめ、20区での戦いを終えたCCGの被害は甚大だった。
カネキとの戦いで重傷を負った亜門のもとには「アオギリの樹」も参戦し、亜門を救護しようとした滝澤がノロに喰われ、亜門も殉職したとされた。
それでもCCGは「アオギリの樹」と「隻眼の王」を倒すため動き続ける。
一方、店長を獲得した嘉納と「アオギリの樹」は研究を続けようとしていた。
20区では「あんていく」が取り壊された。
しかしトーカは、カネキの帰還を信じている。
そしてヘルタースケルターでは「ピエロ」たちが集まり、次の「楽しいこと」を目論んでいた。
【14巻(完)のまとめ】
有馬によってカネキは倒され、店長は隻眼の梟に連れ去られた。
「あんていく」は取り壊されCCGにも多数の死傷者が出たが、それでもヒトと喰種の戦いは終わらない。
【14巻(完)の見どころ】
この巻の見どころは、カネキと亜門、有馬との壮絶な戦い、そして彼を取り巻く人々の葛藤と変化にあります。
亜門との再戦では、互いに譲れない信念がぶつかり合い、ヒデの登場がカネキの心を大きく揺さぶります。
有馬との死闘では、絶望的な力の差と、自らの人生への後悔がカネキをのみ込み、読者の胸を締めつけます。
さらに、店長を救おうとする「隻眼の梟」の登場や、鈴屋の感情の爆発も見逃せません。
戦いを終えてもなお、それぞれの思惑が交錯し、物語は次なる混沌へと動き出します。
次シリーズへ続きます。
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