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ウイルスをばら撒くバイオテロ事件、国民栄誉賞候補者に降りかかった組織的ドーピング疑惑の真相を解明せよ『インハンド』1巻【ネタバレ注意】

地球上から根絶されたハズの伝染病・天然痘を疑われる患者が都内で多数発生。
牧野の依頼を受けた紐倉と高家は、感染経路を辿るうちに、これがただのアウトブレイクではなく、バイオテロの可能性があることに行き着く。
犯人の正体、その意外な目的とは?
2018年イブニングでスタートした、義手の天才学者・紐倉哲が主人公の医療ミステリー。

(U-NEXT作品紹介文より引用)

さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。

天然痘らしきバイオテロが発生

右腕が義手である寄生虫を専門とする研究者の紐倉と、その助手である高家のもとには様々なバイオセキュリティ・レビューの依頼が舞い込んでくるが、紐倉は基本的に興味のあるものしか受け付けようとしない。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

そんなある日、紐倉をアドバイザーとして契約している内閣情報調査室健康危機管理部門の牧野がある依頼を持ってきた。

それは既に地球上から根絶されたはずの強力なウイルスである天然痘に非常によく似た症状の患者が国内で確認されたというものだった。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

アメリカとロシアの研究所で厳重に保管されているのが漏えいした可能性や、何者かが人工的にウイルスを合成したバイオテロの可能性もある。

紐倉は感染が疑われる者に片っ端からワクチンを接種させるように指示しつつ、感染経路の調査へ。

そして感染者の多くがあるホテルの宿泊者やその従業員であることを特定し、監視カメラの映像から何者かがスプレーをシーツ等に吹きかけていたことを発見する。

つまりこれは悪意をもったバイオテロなのであった。

容疑者は未公開論文の関係者?

アウトブレイクが起きたウイルスの検査の結果、それは天然痘と同じ分類の「オルフウイルス」であったことが判明する。

その名前を聞いた紐倉と高家は、未読のまま放置していたバイオセキュリティ・レビューの中にそのウイルスの名前があったことを思い出し、すぐにその論文の著者である永井清和にコンタクトを取ろうとする。

だが永井は既に行方不明となっており、ウイルスの検体もなぜか研究室から紛失していた。

紐倉と高家は永井の自宅に踏み込み、そこで犯人らしき男と遭遇するが、犯人はショッピングモールに駆け込んでウイルス入りのスプレーを撒くぞと脅し、逃げられてしまう。

その後永井の名を騙る犯人がバイオテロの犯行声明を発表。

誰かが永井に罪を競うとしていることを見抜いた紐倉たちは、永井の論文を知る査読者もあたることにするのであった。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

容疑者の確保、事件は収束

紐倉はアウトブレイクが起きたホテルの宿泊者リストと論文の査読者リストから、査読者の一人である二階練介の妻と娘がホテルに宿泊していた事に気付く。

二階は妻と離婚調停中だが、娘の親権取得を狙っているようだ。

娘だけ開発途中だったワクチンの試薬を接種させられていたことから、紐倉たちは二階が無差別に見せかけて妻を殺そうとしたと断定。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

牧野はすぐに二階を容疑者として手配、二階は勤務先の病院から逃走するが、紐倉は二階が真のターゲットである妻の元に行くと考えて先回りし、高家と共に二階を逮捕し、事件は収束した。

二階によって拉致されていた永井の家族も救出、永井本人はウイルスに感染して症状を発症し論文の撤回を考えていたが、紐倉はいち科学者としてその論文を発表すべきと諭す。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

そしてウイルスが悪用されないように自ら責任を持ってバイオセキュリティ・レビューに取り組むのであった。

国民栄誉賞候補者のドーピング疑惑

紐倉のもとに未成年である雪村潤月がコックの応募で訪れ、住み込みで働くこととなる。

潤月は以前に肺ペストのアウトブレイクが起きた横走市出身で、母を感染症で亡くした過去があるようだ。(前作「リウーを待ちながら」参照)

そんなある日、とある大学の駅伝選手が練習中に急死した。

選手のヘマトクリット値(血液中に占める赤血球の体積の割合を示す数値)が増加していたことからドーピングの副作用による死亡が疑われ、選手が通っていた深谷スポーツクリニックに家宅捜索が入る。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

押収されたクリニックの顧客リストからは男子マラソンのオリンピック金メダリストで国民栄誉賞候補でもある野桐俊の名前もあり、野桐にも降りかかったドーピング疑惑について牧野が紐倉に調査を依頼することに。

野桐の元コーチである東野は深谷スポーツクリニックとも関わっており、野桐から東野へは多額のコンサルタント料が支払われている。

紐倉は深谷が血液ドーピング(予め採決しておいた自分の血液の自己輸血)かEPO(赤血球の生産を増進するホルモン)の注射の可能性を視野に、ドーピング疑惑の真相解明へ動き出す。

「インハンド」1巻©講談社/朱戸アオ

まずは野桐の血液サンプルを手に入れるため、高家にある資格を取らせることにするのであった。

【1巻のまとめ】

右腕が義手である寄生虫を専門とする研究者の紐倉は、内閣情報調査室健康危機管理部門の牧野からの依頼でバイオテロ事件の捜査に協力することに。

紐倉は助手の高家と共に地球から根絶されたはずの天然痘に非常によく似たウイルスをまき散らしてターゲットを次々と殺していた容疑者の動機や手法も暴き出し、事件を解決に導いた。

そんなある日、ある大学の駅伝選手が練習中に急死したことをきっかけに、その選手が通っていた深谷スポーツクリニックが絡む組織的なドーピング疑惑が浮上する。

そのクリニックの顧客リストには男子マラソンのオリンピック金メダリストで国民栄誉賞候補でもある野桐俊の名前もあり、紐倉たちは野桐のドーピング疑惑の真相解明へと動き出すのであった。

次巻へ続きます。

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参考寄生虫専門の天才科学者がバイオテロ事件の解決に奔走する医療ミステリー『インハンド』全5巻【ネタバレ注意】

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