自堕落な日々を過ごしていた主人公“伊藤開司”(通称カイジ)が、大手金融業者の「帝愛グループ」多額の負債を抱えたことをきっかけに、借金の完済と人生の一発逆転を目標にアングラで行われる様々なギャンブルに挑んでいく青年漫画。
前作では帝愛グループの地下強制労働場での下剋上で自由を勝ち取り、さらに坂崎というギャンブル狂、そして帝愛グループの闇金業者・遠藤と協力して裏カジノのパチンコ「人喰い沼」を攻略し、総額7億以上の大金を手にしたカイジ。
しかしカイジは遠藤にハメられその取り分の大半を持っていかれてしまい、さらに地下で苦楽を共にした通称「45組」の仲間たちの借金返済を肩代わりしたことで手元には金はほとんど残らない結果に。
金が無くても自由を勝ち取り、共に再起を誓ったあの日からカイジの物語が再び動き始める。
言わずと知れた大人気漫画の第3作です。
さっそく、1巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
自堕落的で退屈な日々
地下チンチロやパチンコ人喰い沼といった人生を賭けた大勝負を経て約半年。
カイジは坂崎の家に居候しながら平和で退屈した日々を過ごしていた。
〈平穏で退屈な日々 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
さらに坂崎の愛娘・美心から彼女気取りの猛アタックを受け、正直うんざりしているカイジ。
一方の坂崎は人喰い沼攻略で得た大金で家を買い、別居していた妻と娘が帰ってきたという意味ではカイジに感謝していたが、一向に働きもせずに居候しつつ愛娘をたぶらかす(誤解)カイジに我慢の限界が来ていた。
どうしようもないクズであるカイジを家からたたき出すことを決めた坂崎は、手切れ金として300万を提示して絶縁を迫る。
〈決別を迫る坂崎 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジにとっては無一文で出るよりも明らかに良い条件だったが、坂崎に誤解されたまま金を受け取ることをちっぽけなプライドから拒否。
坂崎が頭を抱えていると、坂崎の家の外に怪しい黒服の影が見える。
帝愛の手先が来たと直感したカイジは、すぐさまその黒服を追い返しにかかるのだった。
〈怪しい黒服の影 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
45組の三好と前田と再会を果たす
怪しい人影を確かめに出るが、その正体は地下チンチロで共に戦った負け犬集団「45組」の三好と前田だった。
〈三好・前田と再会 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
2人は地下から解放された後、帝愛とは別の裏カジノで働いており、そこの社長をハメて大金を得る作戦をカイジに提案しに来ていた。
普段は社長のイカサマに協力している2人が、それを逆手に取ってカイジに有利になるように協力すれば確実に勝てるというものである。
〈イカサマを逆手に取る作戦 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジの度胸とギャンブル力を信じた2人、上手くいけば数千万円は巻き上げられる作戦。
無一文のカイジは坂崎に頭を下げ、手切れ金の300万円を元手に2人の作戦に乗ることにする。
〈坂崎の手切れ金に手を付ける [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
勝って金を坂崎に返す、その勝利の為にカイジの心に火がつくのだった。
作戦通り、イカサマありのギャンブルへ
三好たちとの作戦会議を済ませ、いよいよ再起をかけた社長とのギャンブルの当日。
裏カジノの奥にある事務所に通され、予想通り社長から大金を賭けたギャンブルに誘われる。
〈相手は裏カジノの社長 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
あれこれとゲームの案を考える社長は、麻雀牌を使ったオリジナルのゲーム「17歩」を提案する。
この「17歩」こそ社長がイカサマでカモをハメるいつものゲームであり、即興で色々考えていたのは全て社長の演技。
〈変則麻雀17歩 [賭博堕天録カイジ 1巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
事前に三好から全て聞いていたカイジは何も知らないフリをしながら社長の提案に乗り、作戦通りこの「17歩」で社長をハメることとなるのだった。
オリジナルゲーム「17歩」のルール
「17歩」のルールは以下の通り。
・麻雀牌と麻雀のルールを使った1対1の対等な勝負
・全自動麻雀卓で山を作ったら、先攻後攻をジャンケンで決め、先攻がドラ表示牌をめくる
・互いに自分の目の前のツモ山1列分(34牌)を使って、3分の制限時間で13枚を選び出しリーチ状態の手牌を作る
・手牌ができたらゲームをスタートし、手牌として使わなかった残りの21枚の牌を先手の者から17巡終えて流局するまで順に切っていく
・相手からのロンがあれば勝ち、相手にロンさせてしまうと負け、という勝負
・両者の合意に基づく賭け金を基本とし、完成された役によって倍率が増加する。
・両者とも振り込まないまま17巡を消化すると流局となり、賭け金を倍にして次戦に持ち越す
果たしてどんな展開が待っているのか―。
【1巻のまとめ】
前作で「人喰い沼」攻略の協力者となった坂崎の家で居候していたカイジは、その自堕落的な生活によって勘当され家を追い出されることに。
ちょうど時を同じくして地下の強制労働場で苦楽を共にした三好と前田と再会を果たし、カイジは一攫千金を狙うことに。
裏カジノの社長がいつも行うギャンブルのイカサマを逆手に取り、3人で社長をハメるという必勝の作戦。
店に乗り込んだカイジは上手く話を合わせ、社長が考案した変則麻雀「17歩」に臨むこととなるのだった。
次巻へ続きます。
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