多額の借金を背負わされたカイジは逃亡生活の末、一発逆転のギャンブルを期待して自ら遠藤に接触する。
しかし多重債務者からの取り立てを生業とする遠藤はカイジの身柄を確保し、地下の強制労働場へと送った。
劣悪な環境で集団生活をしなが強制労働と借金返済に終われる悪夢のような生活を送ることとなったカイジ。
この状況から抜け出すには必要な通貨であるペリカを貯めて「1日外出券」を買い、さらに地上で借金を完済するしかない―。
ところが所属するE班の班長・大槻の巧みな話術の前に誘惑の沼に引き込まれてしまう。
貴重なペリカをビールなど嗜好品で散財してしまったことを猛省するカイジに大槻は給料の前借りを申し出、さらに返済のためのチャンスとして賭場に招待した。
カイジと同様新人の青年・三好と共に参加することとなったのは、特殊ルールが存在する地下チンチロ。
多額を賭け一度は流れを掴んだカイジだったが、大槻とその側近である石和が勝負どころで神がかった運の強さを見せ、一気に借金地獄に突き落とされた。
しかし地下チンチロの出目を記録していた三好のノートからカイジは大槻と石和、そしてもう1人の側近の沼川があるイカサマをしていることに気づいたカイジは負け犬集団「45組」に声をかけ、徒党を組んで逆襲に乗り出す。
「青天井で勝負する」という言質を取って再び勝負に臨んだカイジは勝負に出るタイミングを冷静に待ち、いよいよ大槻が親の手番で仕掛けた。
45組の仲間たちも合わせて全財産を賭ける規格外の大勝負。
さすがに面食らう大槻がカイジの意図を警戒するなか、運命の勝負が始まるのだった。
4巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
大槻が使っていたイカサマ
大槻が親の1回目、45組が全財産を賭けて挑む。
大槻は自分たちがここぞという場面で「4・5・6」の目しかないサイコロを使用するイカサマをしていることに気付かれたと警戒する。
〈警戒する大槻 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジを警戒する大槻
イカサマの暴露を恐れて第1投は運否天賦の勝負に。
通常のサイコロを振り、カイジがサイコロを奪いに来る気配を注視する大槻。
〈大槻はカイジを凝視 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
しかしカイジに動く気配はなく、大槻の視線がサイコロの目ではなくカイジに注がれていることを察知する。
結局、第1投は目無し。
ひょっとしてカイジはイカサマに気付いていないのか―。
〈まだ警戒は緩めない [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
続く第2投、まだ警戒を緩めずに、わざと怪しい素振りを見せて普通のサイコロを投げる大槻。
ここでカイジが飛びついてくれば、空振りに終わらせることができる―。
しかし今回もカイジにも45組の面々にもまるで動く気配がない。
そして今回も目無し。
「イカサマに気付かれたわけではなく、ただプレッシャーを与えるのが目的だった」と判断した大槻は、いよいよ第3投でイカサマのサイコロに手を出すのだった。
〈イカサマを使うことを決断 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
カイジがイカサマを暴く
運命の第3投、イカサマのサイコロが振られる。
目が出た後は側近の沼川の方が近い、カイジよりも先に回収してしまえば証拠は残らない。
しかし、ここでカイジが動いた。
〈カイジがサイコロを強奪 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
サイコロが回っている最中に意表をついてサイコロを奪い、激しく抵抗しながらイカサマを暴露する。
力ずくでサイコロを奪い返しに来る大槻・沼川・石和と揉み合いになるが、他班の班長達がその場を仲裁しにきた。
全員が見守る場でカイジの握り込んだ拳のなかからイカサマのサイコロが出てきたことで、大槻たちの不正が暴かれ追い詰められるのだった。
〈イカサマが白日の下に [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻の苦しい主張
苦し紛れの弁明を図る大槻だが、カイジには全てお見通し。
これまでの勝負にも弁済が遡及することを恐れる大槻は土下座しながらこの場を早く収めようと躍起になる。
〈土下座だけで済ませたい大槻 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
しかし頭を下げているうちに、ある主張を思いつく。
イカサマのサイコロが回っているうちにカイジが介入したので、目は出ていない。つまりイカサマのサイコロを使ったことにはならない。ノーカウントだ―。
〈ノーカンを主張 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
反感を買うのは必至だが、それはそれで筋は通る言い分。
ギャラリーが殺気立つなか、大槻は自分の正論を主張するのだった。
大槻の言質を取るカイジ
カイジは大槻の主張をある程度認めたうえで、ある条件を出す。
第1投は大槻の目は「4」で固定したうえで、もう1回大槻が親を受けるなら勝負続行でもいい―。
〈勝負続行だ― [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
ゴネたことで過去への遡及がなくなったと内心ほくそ笑む大槻は、これを了承。
「大槻たちが特殊なサイコロを使うなら、俺たちも前もって用意した特殊サイコロを仲間内で使わせてもらう…!」
〈カイジたちもイカサマを使っていいルールに [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
早く場を収めたい一心でその宣言を認めた大槻、ここからカイジの逆襲が始まるのだった。
用意周到に寝られた逆襲劇
カイジが用意していたのは、全ての目が「1」という極端なもの。
〈全部1の目がでる最強のサイコロ [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
どう振っても5倍付けの役が成立する最強のサイコロ。
慌てて無効を主張する大槻だが、予め念押ししていたカイジの言い分が通る。
カイジを含め45組全員が5倍付けを出し、250万ペリカ以上の大勝。
〈250万以上の大勝 [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
大槻はそれを支払うためにこれまでコツコツと貯め込んできた金庫を出し、そこから泣く泣く札束を出す。
しかしまだこれでは済まさない。
「親は2度、やり切ってもらわないと…!」
親として2回目の勝負から逃げることは許さないのだった。
〈親は2度やり切ってもらわないと… [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
逃げ場が無くなった大槻
カイジはいま稼いだペリカを全額賭けることを宣言し、再度5倍付けなら総額1800万ペリカも稼ぎ出す結果となる。
金庫の金を全て吐き出すこととなる大槻は震えながら抵抗するが、そこに帝愛グループのNo.2である黒崎が直々に仲裁しに来た。
〈黒崎がカイジの主張を認める [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
黒崎は双方のイカサマに感心しながらも、大槻のリスク管理が足りなかったことを指摘し、カイジの言い分を認めた。
勝負は続行。
通常のサイコロで1のゾロ目(1/216の確率)を出せば引き分けという絶望的な状況に、大槻は涙をこぼすのだった。
〈大槻の目から涙が [賭博破戒録カイジ 4巻](c)フクモトプロ/福本伸行〉
【4巻のまとめ】
大槻が使っていたのは「4」「5」「6」しか目がないイカサマサイコロ。
その不正をギャラリーの眼前で暴いたカイジは場の空気を誘導し、自分たちの用意したイカサマサイコロの使用を認めさせて逆襲に出る。
カイジたちが用意していたのは目が全て「1」のサイコロ。
どう振っても5倍付けの最強の役が揃うサイコロを堂々と使い、45組全員で大槻から大勝を上げる。
さらに大槻が親の手番はもう1度、いま稼ぎ出した大金を再び青天井で全額賭け、さらに5倍付けへ―。
勝負から逃れようと必死に抵抗する大槻だが、仲裁に来た帝愛グループのNo.2である黒崎はカイジの言い分に筋が通っていることを認め、大槻の逃げ場がなくなるのだった。
次巻へ続きます。
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