空手の大会に颯爽と現れ、あっさりと優勝した範馬刃牙。
その正体は東京ドームの地下に存在する禁じ手なしの裏闘技場のチャンピオンだった。
地下の闘技場では現役横綱やプロレスラーをはじめ、様々な闘技者が禁じ手なしの異種格闘技戦を繰り広げる。
チャンピオンである刃牙は”紐切り”を得意とする鎬昂昇・マウント斗羽・鎬紅葉を倒すが、「地上最強の生物」と謳われる父、勇次郎にはまだまだ到底及ばない。
父との対戦に向けて過去に想いをはせる刃牙。
13歳の頃の刃牙は不良集団を相手に真っ向から喧嘩するも途中でKOされてしまう。
大富豪である母、朱沢江珠の管理下で英才教育を受けていたが、より強くなるために自立することを宣言し、家出した。
刃牙はボクシングjウェルター級最強のユリー・チャコフスキーに惨敗した刃牙は山籠もりの修行で脳内麻薬の制御と死に際の集中力を体得。
過酷な修行の末、夜叉猿にも打ち勝った。
刃牙はユリーをあっさりと破壊して見せた日本一強いヤクザ、花山薫との死闘にも打ち勝つが、勝敗が決したところで勇次郎が乱入し、2人に格の違いを見せつける。
刃牙はまだ勇次郎を満足させられるレベルにはなく、江珠は勇次郎を振り向かせるためにより一層刃牙を鍛えることを決心するのだった。
そして刃牙についに勇次郎への挑戦権が与えられる。
勇次郎は刃牙の戦友である夜叉猿を殺して刃牙を煽っていく。
怒りに燃える刃牙は決闘に向けて最後のトレーニングとして最強の実戦部隊と戦うことに。
勇次郎に匹敵すると称されるガイアを含め、部隊を倒した刃牙。
その報せを聞いた勇次郎は「正真正銘の暴力」を示すため、首相官邸に殺害予告をするのだった。
18巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
勇次郎が首相官邸を襲撃
予告通りに総理大臣官邸を襲撃する勇次郎。
大多数の機動隊員が囲んでも勇次郎を止めることはできず、総理の前に軽々とたどり着く。
〈襲撃する勇次郎[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
時の警視総監や数十名の役職の首がすげ変わったものの、事の影響を考慮して事件は隠匿され、勇次郎は無罪放免となった。
父との決戦に向けて
その頃刃牙は居合、小林流拳法、ボクシング、フェンシング、テコンドーなど様々な武道家のもとを訪れ、必殺のカウンターを練り上げていた。
〈練り上げたカウンター[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
決戦の日まであと1週間。
勇次郎もまた、戦いに備えてトレーニングを重ねていく。
母の愛を受けるために
勇次郎を喜ばせるためだけに刃牙への教育に心血を注いできた江珠。
しかし勇次郎は喜びを見せるどころか、江珠を突き放す。
「今度の闘いでもし刃牙が満足のゆくものでなかったのなら…キサマなど一山いくらの中年娼婦にすぎぬということだ。俺との関係はないものと思え」
〈勇次郎を振り向かせられない江珠[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
勇次郎の心ない言葉に呆然とした江珠は、泣きながら刃牙に八つ当たりする。
刃牙は母の愛が自分に一切向けられていないことを受け止めながら、母を振り向かせるために問いかけた。
「もしオレが……勇次郎を倒したなら……オレのこと愛してくれますか」
〈母を振り向かせたい刃牙[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
江珠は刃牙に噛みつき、「負けるかよッッ!!!」と吐き捨てる。
実の親子なのに、刃牙は母の愛を受けることができなかった。
花山との絆
傷心の中、夜の街を一人歩く刃牙。
チンピラに絡まれるも刃牙が構うことは無い。
するとそこに花山が現れ、刃牙の家でサシで飲むことに。
初めてウイスキーを飲みながら、母に噛みつかれたことを告白する刃牙。
「ウラヤマしいヤロウだな…」という花山の言葉に頭に血が上る刃牙だが、花山は癌で母を亡くしたばかりだった。
母の愛をまともに受けられなかった者同士朝まで語りあかし、まだ母に愛されるチャンスのある刃牙は勝利を誓う。
〈花山と朝まで語り明かす[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
迎えた決戦の日
闘いの日。
前日から一睡もできなかった江珠は、勇次郎が勝つことを信じてやまない。
しかしそれは同時に、自分と勇次郎の関係が今日で終わることを意味していた。
ふと脳裏に刃牙への母性がよぎる。
〈江珠の頭をよぎる母性[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
江珠の心中は複雑だった。
昼頃、ストライダムの協力のもと米軍基地に足を踏み入れた刃牙は決戦まで12時間もある今からウォームアップを開始する。
と、花山組の若頭の伝手で腕っぷしの自信のある街の不良たちが現れた。
これもウォームアップの一環か。
〈ウォームアップの相手[グラップラー刃牙 18巻](c)秋田書店/板垣恵介〉
【18巻のまとめ】
首相官邸を軽々と襲撃するほどの圧倒的な暴力を見せる勇次郎。
ついに刃牙はその勇次郎との決戦を迎える。
勇次郎に愛されることだけを考えてきた江珠にとっても運命の日。
頭の中には勇次郎への愛と刃牙への母性が共存していた。
刃牙は江珠の愛を受けるため勝利を誓う刃牙は必殺のカウンターを磨き上げ、決戦の12時間前から入念なウォームアップを開始するのだった。
次巻へ続きます。
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