カモメ古書店、そこは凶悪な犯罪に巻き込まれた被害者やその遺族が無念を晴らすために訪れる店。
古書店の主・鴨ノ目 武(カモ)とその相棒である島田 虎信(トラ)のコンビでこれまで数々の復讐依頼をこなしてきた。
シリアルキラーの園田に両親と従姉妹を殺害された開成 奈々子の面倒を見ながら、奇妙な同居生活が続いている。
過去に復讐依頼をこなした相手から逆恨みされ、依頼を受けた朝食会の榎がカモとトラを対象に狙うことに。
しかしやり方は違えど社会の屑を憎む理念は同じ。
榎は復讐依頼を受けるのを取りやめ、一時はカモとトラを捕らえるが解放した。
一方、ゴアゴアコミックの編集者として過ごしていた園田、漫画家志望で同性愛者の男から好意を持たれ、いつしかストーカーされるように。
だが園田は未解決である練馬区一家殺人事件の真犯人のサイコパスであり、ストーカー化した男を返り討ちにした。
そしてストーカー化したファンにSNSで個人情報を晒されて人生を狂わされた元アイドルが朝食会の榎に復讐依頼を出す。
榎は犯人を特定し復讐計画を立てるが、犯人の情報を伝えたがゆえに依頼人が暴走し勝手に復讐を果たしてしまった。
珍しくミスを犯した榎は事後処理に他の朝食会会員の関口に借りを作ることとなり、関口への借りを返すためにデートの誘いを受けざるを得なくなる。
関口は狙った女性を殺すのが趣味であり、本命のターゲットである榎に薬を盛って拉致することに成功するが、寸でのところで鶴巻が救出した。
シリアルキラーだった関口はそのまま逮捕されるが、他の事件の証拠は何もないためすぐに出所する可能性が高いのだった。
10巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
トラと奈々子がついに園田に行き着く
18年前、園田は大好きだった祖母の死に影響を受け、「本を書くことで自分が死んだ後も考えや思いを生かし続けることができる」と知って興味を惹かれるようになる。
死を恐れ、ずっと生き続けたいと願いながら今日も自分の感じるままに取材を続ける園田。
そんなある日、奈々子はネット上でできた唯一の友人と連絡が取れなかったことを心配し、トラに相談する。
その友人はLGBTという悩みも抱えていながら、趣味の漫画で意気投合し、漫画家を目指してゴアゴアコミックに漫画を持ち込むようになったそうだが、そこから半年近く音信不通となってしまったという。
そう、彼は園田に好意を寄せてストーカーになった挙句に殺されてしまったあの漫画家・松下だったのである。(2巻参照)
ゴアゴアコミックの編集部に話を聞きに行くと、取材から帰ってきた園田は2人を見てギョッとする。
自分が起こした一家殺人事件の生き残りである奈々子と、その犯人を追って襲ってきた2人組(前作「善悪の屑」2巻参照)の片割れが目の前にいたのだ。
自分の正体がバレたのかと焦ったものの、2人が松下を探してここに来たと知ると、園田は偶然を楽しみながら編集者として応対することにする。
しかし奈々子は園田の靴を見て自分の家族を殺した犯人の歩き方の特徴とそっくりであることを直感で察知し、早々に事務所を後にすることに。
犯人の右手の薬指には大きなペンだこがあるため、2人は再度園田が犯人かどうか確かめるべく事務所に戻る。
しかし正体がバレたことを悟った園田はいち早く姿をくらまし、受付表に記入した奈々子の住所と電話番号も回収してしまっていた。
カモメ古書店が危ない―。
トラはカモに連絡しようとするも、カモは仕事中は携帯の電源を切っており繋がらない。
そしてトラと奈々子が着く前に、一般客を装った園田がカモメ古書店に辿り着くのであった。
園田への復讐を完遂、奈々子との別れ
バッグに包丁を忍ばせながら店内を物色する園田。
その右手の薬指に特徴的なペンだこがあるのを視認したカモは、相手が奈々子の家族を殺した犯人である可能性が高いことを直感する。
そしてカモは人違いである可能性も承知で園田を金づちで殴打、園田が包丁を持っていたことで犯人と断定した。
園田が包丁でカモを刺し、カモも小さなナイフで園田を刺す。
取材の一環としてすぐには殺すつもりのなかった園田に対し、カモはできるだけ苦しみを与えて早く殺すように刺した結果、先に園田が倒れる。
重体に巻き込まれていたトラと奈々子も駆け付け、カモは応急手当をしたうえで園田を監禁。
死の間際になっても園田は全く反省の色を見せず、奈々子の家族を殺した理由についても、当時反抗期だった奈々子が「クソ親父 クソババア!死ねっ!!」と叫んでいたのを聞いて真剣に考えた結果だという。
サイコパスで自尊心も肥大、道徳観にも欠ける園田は、今までの殺人という取材を本の形に残すという夢が叶わなかった無念を抱えながら息絶えていった。
人知れず社会の屑がまた1人排除。
ずっと追っていた犯人が死に心が晴れた奈々子は家族の墓前で報告し、真っ当な生活に戻ることを決意。
カモとトラも奈々子が復讐屋の仕事に染まっていくことは望まず、涙ながらに感謝を述べる奈々子の背中を押す。
家族のように一緒に生活してきたが、これ以上は一緒にいられない。
涙を惜しんで奈々子と別れ、カモとトラの2人だけの生活に戻るのであった。
【10巻のまとめ】
園田に殺された漫画家志望の男は奈々子の友人であり、安否を心配した奈々子とトラは偶然にも園田と接触を果たした。
奈々子はすぐに園田が自分の家族を殺した真犯人であることを確信するが、園田はいち早く脱出し、奈々子らの住所を辿ってカモメ古書店を襲撃に出る。
店番をしていたカモが刺されたものの園田を捕らえ、ついに園田を抹殺することに成功した。
ずっと追っていた犯人が死に心が晴れた奈々子は家族の墓前で報告し、真っ当な生活に戻ることを決意し、涙ながらにカモとトラに別れを告げるのであった。
次巻へ続きます。
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