大学1年生で座敷童子のざしこと同居している高橋陽子は、普通の人間には見えないざしこを認識しコミュニケーションを取ることができる特殊能力を備えた亜人。
物理学を専攻している助教の相馬や文化人類学の教授・紙村あきらの協力も得ながら様々なオカルト騒動解決の手助けをすることとなる。
隙間女、メリーさん、ぬりかべの騒動を解決し、メリーさんの正体である「やまびこ」も同居することに。
そして小学生の知り合いであるメグミという少女やざしこが「トイレの花子さん」に拉致されかけているところに出くわした陽子は、トイレの花子さんたちのボスであるビッグママと話し合いの場を持ち、彼女たちが人間社会に上手く馴染めない亜人の子たちを異空間で保護していたことから、共に亜人を助ける同盟を組むこととなった。
その他、人間と結ばれた狐火の亜人、口裂け女と間違われ悩みを抱えていたサラマンダーの亜人・花凛、仏神 広目天の亜人であり千里眼を持つスズメ、汗で周りの人間を気絶させてしまうという川女郎の亜人や、普段は人に見えず自覚もないものの周囲の人間を親切にさせてしまうクリストキントの亜人、亜人の能力を継承しながら時間をも操る歳神の亜人、人に悪夢を見せるエンプーサの亜人が登場済である。
さらに紙村の忘れられない過去としてとある神社で幽霊の調査に先輩・五久島と出向き、姦姦蛇螺という巫女のタルパに襲われて五久島が行方知れずとなったエピソードも描かれた。
そんなある日、ビッグママの孫で自在に異空間を行き来できる能力を悪用するビッグフットの亜人・ヒデハルの家出に始まる大騒動や、友人が持ってきた玩具によって地獄の門が開く、さらに「相手の願いを叶える」という特性を持つ笠地蔵の亜人とざしこが接近したことで世界崩壊の危機を何度か迎えるが、奇跡的にも世界は無事。
そして今度は、陽子は友人の男子である柏木が女性と歩いているところを目撃。
その時はまだ深く気に留めなかった陽子だが、その女性は柏木にとりついて洗脳しており、陽子たちも巻き込まれることになるのであった。
8巻のあらすじを振り返ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
鬼子母神の女と謎の一味が陽子たちを狙う
陽子は柏木に彼女ができたのか聞くが、柏木はあっさりと否定。
しかし2人が仲良く話している様子を陰から見ていた亜人のメンヘラ女は、女子トイレで陽子を襲って鏡の中へと引きずり込んだ。
何をされたのか分からないまま陽子が帰宅すると、いつの間にか柏木と交際して同棲していることになっていたうえ、鉄男や相馬も女性になっているなど元の世界と違うところが多数。
陽子が自分に起きたことをありのまま鉄男と相馬に相談すると、その場にメンヘラ女もどこからともなく姿を現した。
メンヘラ女いわく、その世界は「亜人のいない世界」であり、柏木と仲良くしていた嫉妬から陽子に異世界を目の当たりにさせることでその記憶を消し去ってやろうと考えていたという。
だが異空間を問題なく観察できる陽子にはその作戦は効かず、焦ったメンヘラ女は「世界の理」と呼ぶ本を使って陽子を地球が存在しない世界へと突き落とそうとする。
すると「世界の理」から謎の男の手が出てきてメンヘラ女を止め、「空間移動も並行世界への移動も鬼子母神である君の力じゃないことを忘れるな。行逢神としての使命を果たせ」と諭した。
その言葉を受けたメンヘラ女は柏木よりも本来の使命を優先し、陽子を元の世界へと戻した。
元の世界で紙村と相馬に相談すると、鬼子母神はもともとは人間の子供をさらっていたがお釈迦様に自分の子供たちを隠されて改心したという鬼の女のこと、行逢神はすれちがうと害を為す存在のほか、神を導くという伝承があるようだ。
まだわからないことだらけだが、相手は計画のもとで組織だって動いている―。
陽子たちが警戒する一方、鬼子母神の女も空間をまたがって存在する陽子を仲間にすることを決めるのであった。
くねくねの呪縛
陽子の家に須摩も泊まることとなったが、そこにゾンビのようにおかしくなった女性が乗り込んできた。
須摩はすぐさま陽子を逃がしつつその女性を警察で保護。
その女性は須摩のド田舎だった地元の幼馴染で親友の麻音という少女だった。
須摩が中1、麻音が中3だったある日の夕方、2人は田んぼでくねくねと動く奇妙なモノを目撃し、魅入られてしまった麻音は脳がハジけたかのように生きたままゾンビのようになってしまった。
くねくねはそのまま須摩の母や村の人たちにも影響を及ぼし、須摩は村から逃げることに成功したものの、その現象の大きさから亜人課は村を封鎖し、「犬鳴村」と改名して恐ろしい噂を流して人を遠ざけた。
須摩は村を元に戻すために亜人課に入ることを志願し、くねくねが異空間を見せたり隠したりを繰り返すことで一般人の頭をおかしくさせてしまうという宇垣の推論のもと、陽子の特性に解決のヒントがあるのではと思って近づいてきていたのである。
そして今、麻音は陽子の部屋という異質な空間に引き寄せられるように近寄ってきた。
と、陽子の部屋の中で麻音がゆっくりと意識を取り戻し、ざしこが触れると普通の人間に戻った。
思いがけない再会に須摩が涙を流すが、麻音は陽子の部屋を出た途端に再びゾンビと化してしまい、部屋に入ってざしこが触れても元に戻らなくなってしまった。
須摩は落胆しながらも、「元に戻ることがわかっただけで大収穫」とすぐに前を向き、陽子も協力することを決意するのであった。
七人ミサキの襲撃、五久島との再会
隙間女の浪江をはじめ、亜人が次々と行方不明になり、亜人課が捜査を開始。
一方でサラマンダーの亜人である花凛や千里眼を持つスズメらのもとにも「今夜迎えにゆきます」という謎の手紙が届く。
そしてスズメたちや陽子のもとにも「合わせ鏡の悪魔」の亜人である姫野が異空間を伝って姿を現し、一緒に来てほしいと伝える。
姫野の傍には行方不明になっていた亜人たちもおり、ぬりかべや隙間女の波江、狐火の夫婦、川女郎など陽子も知っている面々も与していた。
姫野たち「七人ミサキ」の目的は全ての亜人を幸せにすることだといい、亜人の特性で悩みを抱える者たちを味方に誘っているのだという。
花凛がその誘いを断ったところでヒデハルも助けに合流する一方、手紙を分析しようとしていた紙村のもとには鬼子母神の女が襲撃に来た。
並行世界からの手紙と言う確たる証拠を何としても回収するべく、紙村を殺してでも奪おうと襲ってくる鬼子母神の女。
だがそこにずっと行方不明だった五久島が助けに入り、使い魔と化していた姦姦蛇螺を使って鬼子母神の女を撃退。
紙村は涙ながらに五久島との再会を喜ぶのであった。
七人ミサキのボスの正体が明らかに
姫野は陽子をすんなり説得できないと判断すると、ぬりかべの特性で皆を閉じ込めて時間を稼ぎつつざしこに狙いを移す。
話を聞いていたヒデハルがざしこを守るべく陽子の家に先回りすると、そこにはクリストキントも来ていた。
と、そこに姦姦蛇螺から逃げてきた鬼子母神と、姫野も到着。
ぬりかべから脱出した陽子たちが遅れて部屋に戻って来ると、クリストキントの「相手に親切になる」という特性のもとで穏便に話し合いがもたれた。
その話し合いの場には七人ミサキのボスも参加。
そしてそのボスは、いつの間にかずっと行方知れずだったやまびこなのであった。
【8巻のまとめ】
ぬりかべや隙間女の波江、狐火の夫婦、川女郎など、亜人が次々と行方不明になり、亜人課が捜査を開始。
それは「合わせ鏡の悪魔」の亜人である姫野と、鬼子母神の女の亜人による仕業だった。
姫野たち「七人ミサキ」の目的は全ての亜人を幸せにすることだといい、亜人の特性で悩みを抱える者たちを味方に誘っており、陽子や他の亜人たちのことも狙っている様子。
その中で紙村も襲われるが、ずっと行方不明だった五久島が姦姦蛇螺を使い魔にして助けに入った。
陽子はヒデハルやクリストキントなど味方の亜人の助けも借りながら七人ミサキと穏便に話し合うことにするが、その場で彼らのボスが登場。
そしてそのボスは、いつの間にかずっと行方知れずだったやまびこなのであった。
次巻へ続きます。
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