世界一のジャズプレイヤーを目指し、シアトルの街からアメリカを横断して様々なジャズを吸収して聖地・東海岸へ向かうことにした大。
ジャックの経営する自動車整備工場で働きながらシアトルの音楽に触れつつ、シアトルで手に入れた車で次の地へ向かう道中知り合ったヒッチハイカーのジェイソンと一緒に旅をするうち、ジェイソンが素人ながらマネジャーを自ら買って出てくれたため、二人での旅に。
だが音楽に関しては素人だったジェイソンは大の足手まといになるまいと途中で身を引き、立ち寄ったメキシコで出会ったピアニスト・アントニオに大と一緒に旅をしてくれることを頼んだ。
大はアントニオに、自分と組んでほしいとお願いをし、その場で返事はもらえなかったが、後にアントニオは大を追ってアルバカーキで再会を果たすこととなる。
2人はサックスを練習するレッスン生たちが先生の退院祝いのために演奏する発表会を大成功に導き、次の地・ヒューストンへ。
そこでちゃんとしたバンドを作るためメンバー候補を探すことにし、そこで出会った凄腕ドラマーのゾッドを誘うが、断られてしまう。
諦められない大は、バンド参加を賭けて、ゾッドとポーカーで勝負をするのだった。
7巻のあらすじを振り返ってみましょう。
目次
ポーカー勝負を経てゾッドが仲間に
バンドへの参加を賭けてポーカーでゾッドに勝負を挑む大。
ゾッドは頭の中であれやこれやと計算をしながらポーカーをしている。
対照的に大は、セオリーを無視して、自分の音楽への姿勢をポーカーと重ね合わせながら賭けている。
大は、計算なんかしないで自分自身の全部を出すと言い、そこまで強いとは言い切れない8のスリーカードで有り金すべてを賭けた。
同じテーブルについていたゾッドのポーカー仲間のギルもコールし、数字的に悪くない手札のゾッドも、大の手札を読みつつコールで応じる。
ジャズで一緒に勝つことをどこまでも信じ、ステージで戦う仲間としてゾッドが必要だと断言する大。
その熱意を知ったギルは、ゾッドをジャズの道へ引き戻すため、最後の最後で勝負を降りた。
あとはゾッドと大の2人だけの勝負。
大は手持ちの役まで明かし、真ん中の数字でも勝つことがある、音楽も勝てる、一緒にジャズをやろう、と力強くゾッドを誘う。
大の明かした役が本当なら、ゾッドの手札では勝つことはできない。
大の言葉を信じることにしたゾッドは静かに勝負を降り、勝負は大の勝ち。
勝負の後、直前で身を引いたギルの手札を確認すると、ギルは大の役よりも遥かに強いAのスリーカードだった。
そこまで強い手札を捨ててまで、ギルもゾッドがジャズの道に戻ることを後押ししていたのだった。
ジャズ発祥の地でバンドとして歩みだす
病に倒れた母親の看護のためにニューヨークでのジャズの道を諦めていたゾッドだったが、母の世話を従姉妹に頼み、大たちと共に出立する。
今までの車ではゾッドとその荷物が入らないため、大は愛着のある日本車を大きな緑のバンに変えて出発した。
ジャックがくれた日本車は整備が行き届いていたおかげで、差額無しで新たな車と交換することができ、電話でジャックとエディに感謝を伝える大。
次の地・ニューオーリンズに向かう間、ゾッドは昔の”つて”でライブハウスの出演を簡単にとりつけ、音楽やメディア関係者にも声をかける。
続けて、このバンドでどんな音を出すかを話し合っていると、大が、3人の特徴をそれぞれ出して合わせればいいと言ってまとめる。
ニューオリンズのバーボンストリートに着いた大は、ジャズが生まれた街を体感し、感動していた。
ふと、バンド名を「Dai Miyamoto Momentum(ダイ ミヤモト モメンタム。モメンタム=「勢い」)」でどうかと提案する大。
バンドに自分の名前を入れるということは、そのバンドのリーダーとしてギャラを含め全てを取り仕切ることを意味している。
アントニオは途中で納得いかなければバンド名を変えればいい、ゾッドはコイントスで大にまだツキが味方していることを感じ、その提案を受け入れるのだった。
バンドの演奏に満足しない大
ゾッドのおかげで、ライブハウスの集客は上々。
バンドとして絶対に失敗できないなか、大たちの演奏は、観客に受け入れられ賞賛される。
なかでも大の印象強い音のせいか、「Dai Miyamoto Momentum」というバンド名も観客たちはすんなり受け入れたようだ。
一方、ステージを降りた大は、アントニオとゾッドにもっと弾け、もっと叩けといって2人を煽るのだった。
成功への歯車が回り始めた
ライブ後、ゾッドがトランペットのレジェンドプレーヤーであるペイトンを大に紹介する。
ニューオリンズの自分が顔が利くところでライブをしないかと提案するペイトン。
そこまでしてくれる理由を尋ねると、自分が出したい音を、このバンドが出しているからだという。
3人は成功に向かって上手く回り始めたと感じ、翌日からそれぞれ練習に熱が入る。
そして大はプロのミュージシャンとして、ライブ前に酒は飲まないことをバンドのルールとするのであった。
大を応援する街の人たち
それぞれ練習に励みながらライブを重ねる大、アントニオ、ゾッド。
大もだんだん有名になってきて、道を歩いていると一般の人からも声をかけられるようになる。
ニューオリンズのストリートで素敵な音を出すクラリネット奏者のおばさんからは、ジャズを愛する仲間として認められ、お互い歩いて行きましょうと励まされた。
近くでボール遊びをしている少年たちも大の凄さを認知し始める。
別のところではおじさんに、「100年前この街で生まれたジャズが遠い日本まで伝わって戻ってきたことは最高に素敵なことだ」と言われ、大は小さくガッツポーズをするのだった。
過去の栄光と比較して悩むゾッド
一方、大に「もっと」「限界まで」演奏しろと言われ、ゾッドもアントニオも悩んでいた。
特にゾッドは、かつてニューヨークで演奏していたときと比べれば考えられないほど宿のクオリティが低いことに不満を隠せない。
今では有名になっている昔の仲間に会ったゾッドは、過去の栄光を思い出して逡巡しながら道を歩いていると、バケツを叩いているストリートのドラマーに出会う。
ゾッドもその場で叩かせてもらうと、その演奏の凄さに人が集まり、みな楽しんでくれた。
ゾッドはその日何かを掴んだように、最高な気分で宿に帰る。
相変わらずサービスのクオリティは低いが、今日は全く気にならないのだった。
音大の入学を悩むアントニオ
アントニオは音大への入学期日が迫っており、このまま旅を続けるか迷っていた。
ある日、他のバンドに見下されてケンカになりそうになるが、ライブハウスのオーナーが、アントニオはスーパーなプレイヤーだ、と言い切って仲裁してくれた。
大にも「お前がいなくても勝つけど、お前と一緒だったらもっと勝てる」と言われたアントニオは、ようやく自分のなかで覚悟が固まった。
そしてそれを見せまいと、大に「最初から迷ってなんかいない」と強がって見せるのだった。
【7巻のまとめ】
ポーカーの勝負であまりにも潔い大の考え方に、ゾッドは覚悟を決めてバンドメンバーに加わった。
大たちは、ジャズ発祥の地ニューオリンズで正式にバンド「Dai Miyamoto Momentum」として歩み始め、その土地のレジェンドプレーヤーにも背中を押されながら街で有名になっていく。
大は2人によりハイレベルな演奏を求め、ゾッドもアントニオもそれぞれ悩むこととなるが、それぞれちょっとしたきっかけから吹っ切れて、バンドの結束が高まっていくのだった。
次巻へ続きます。
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