世界一のジャズプレイヤーを目指し、シアトルの街からアメリカを横断して様々なジャズを吸収して聖地・東海岸へ向かうことにした大。
ジャックの経営する自動車整備工場で働きながらシアトルの音楽に触れつつ、シアトルで手に入れた車で次の地へ向かう道中知り合ったヒッチハイカーのジェイソンと一緒に旅をするうち、ジェイソンが素人ながらマネジャーを自ら買って出てくれたため、二人での旅に。
だが音楽に関しては素人だったジェイソンは大の足手まといになるまいと途中で身を引き、立ち寄ったメキシコで出会ったピアニスト・アントニオに大と一緒に旅をしてくれることを頼んだ。
大はアントニオに、自分と組んでほしいとお願いをし、その場で返事はもらえなかったが、後にアントニオは大を追ってアルバカーキで再会を果たすこととなる。
2人で一緒に演奏する初めての機会は、サックスを練習するレッスン生たちが先生の退院祝いのために演奏する発表会の場。
しばらく先生の代わりに臨時のでレッスンを担当していた大、その指導は実を結ぶのか―。
6巻のあらすじを振り返ってみましょう。
感激の発表会
発表会のトップバッターは、大きな音を出したいと言っていた男の子ハリー。
上手く吹けなくて泣きそうになるところを、大とアントニオのサポートで復活し、大きな音を鳴らし、満足げに終わる。
成長は少しずつでいいと言っていたアクセルは、テーマをアントニオのピアノに任せ、自分が吹けるところをいいとこどりして吹くという荒技でなごませる。
数学的な美しい音楽を目指すニーラは、練習した細かいテクニックを頑張ってやり通した。
最後、自分の”想い”を吹きたいと言ったキャロルは、集中力を高めて大好きだった亡き夫との思い出を音にのせ、聴いている人の涙を誘う。
予想以上の素晴らしい発表会に、スティーブ先生も、生徒の家族も感激をし、最後はみんなで合奏をして盛り上がって終わる。
そして、みんなの要望に応えて、大とアントニオもその場で演奏。
大の出す音は、ますます強く太くなっていたのだった。
ちゃんとバンドを作ろう
翌日、大とアントニオは、みんなに見送られてアルバカーキを出発し、テキサスのダラスまで移動する。
ジャズクラブに出演依頼をするも、低い認知度と人種を理由ににべもなく断られ、憤慨したアントニオが手をだそうとしてしまい、危うく警察沙汰になりかけた。
もうこの街の他の店には大とアントニオは危険人物として情報が出回ってしまった。
手を出そうとしたアントニオに憤慨する大だが、アントニオも音大への入学をギリギリまで先延ばしにしながら身一つで大と旅をすることにした身。
仕方なく次の街に向かうなか、店に飛び込んでも同じようなことの繰り返しと考えたアントニオは、大都市ヒューストンで新たなメンバーを加え、ちゃんとしたバンドを作ろうと提案する。
飛び入り参加のハードルが低そうなジャズクラブを見つけ、断られないよう綿密な計画をたてて、セッションに飛び入り参加。
大とアントニオの高度な演奏についていけない他の演奏者を振るい落とし、2人に舞台を乗っ取られた店のオーナーはいよいよ、ゾッドというドラマーに電話でヘルプを求めるのだった。
凄腕ドラマー ゾッド
普段はカジノルームでポーカーに興じているゾッドがステージにやってくると、客がざわついた。
でかい体のゾッドはドラムの位置につき、大たちとのセッションを始める。
大もアントニオも、ゾッドのテクニックの多彩さやスケール感に驚きを隠せない。
ニューヨークのジャズエリートの大学出身で、卒業後もニューヨークで世界最高のジャズマンたちと演奏し、南部に活動拠点を移してからは「ヒューストンのジャズマスター」とまで呼ばれるゾッド。
生まれながらのリズム感をまざまざと見せつけてくるゾッドに対し、アントニオは大にソロパートを渡すことなく、自分のソロでゾッドに勝つという意思表示をする。
互いに全く譲らない2人のソロ対決に観客も盛り上がったが、長旅を経て前のステージから演奏し続けていたアントニオはそろそろ体力の限界。
結局、その日は決着がつかないまま終わるのだった。
メンバー参加を賭けてポーカーで勝負
大は、今はフリーのゾッドをバンドメンバーに誘うが、超一流じゃない大たちとでは稼げない、と一蹴された。
諦めきれない大は、翌日、ゾッドがほぼ毎日通っているポーカーハウス(カジノ)にのり込んでいく。
ゾッドはミュージシャンよりも、ポーカーのほうが日銭が稼げるので、これで生計を立てているのだった。
バンドメンバーへの誘いを再度断られて頭にきた大は、ポーカーで勝負すると言う。
ポーカーは初めての大は、ルールと役の強弱をアントニオに教えてもらい、周りを10分観察して頭に叩き込み、1,000ドル程度の全財産をチップに変えて、ゾッドと同じテーブルにつく。
強い手札が配られるまで待ちの姿勢でずっと勝負から降り続け、場代だけでチップがなくなっていく大。
ようやく勝負に出るがゾッドに負け、同じテーブルについていたギルが優しくもうやめたほうがいいと勧めるが、大は強気に次の勝負をする決意を固めるのだった。
【6巻のまとめ】
大がレッスンをした生徒の発表会は、素晴らしいものになった。
生徒に惜しまれつつ次の地へ向かった大とアントニオ。
ヒューストンで、ちゃんとしたバンドを作るためメンバー候補を探すことにし、そこで出会った凄腕ドラマーのゾッドを誘うが、断られる。
諦められない大は、バンド参加を賭けて、ゾッドとポーカーで勝負をするのだった。
次巻へ続きます。
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