世界一のジャズプレイヤーを目指し、シアトルの街からアメリカを横断して様々なジャズを吸収して聖地・東海岸へ向かうことにした大。
ジャックの経営する自動車整備工場で働きながらシアトルの音楽に触れつつ、あるライブハウスの閉店イベントでは 一部の観客からのブーイングをものともせず、自分の演奏を貫き通した。
そして演奏をやり切った大は、シアトルで手に入れた車で次の地へ向かう道中知り合ったヒッチハイカーのジェイソンに、プロで世界一を目指すことは古い考えだと言われる。
その言葉を受けて、ポートランドでラジオ番組やライブに出演して自分の音楽を追求しながらも、なぜプロのサックスプレイヤーになりたいかを考え続けていた。
そして、その街で出会った人とのふれあいの中で、世界一になりたい理由に自ら気付くのだった。
スケートボーダーのジェイソンと偶然にも再会し、一緒に旅をする中で大の凄さを認めたジェイソンが素人ながらマネジャーを自ら買って出てくれたため二人での旅に。
シリコンバレーを経てロサンゼルスに辿り着いた大。
ライブに来る観客は少人数だが、自分の音楽を曲げずに届け続ける大に、共感してくれる人もいた。
そんな中、ジェイソンは大との旅を降りると言う。
お別れパーティとしてメキシコに行くと、口は悪いが明るい演奏をするピアニスト・アントニオと出会った。
ジェイソンはアントニオに、素人の自分は身を引く代わりに、大と一緒に旅をしてくれることを頼んだのだった。
5巻のあらすじを振り返ってみましょう。
大が組みたいピアニスト
メキシコで飲んだ翌朝、アントニオが大を訪ねてきて、今度は大の生演奏を聞かせろというので、ジャズクラブに行きアントニオとセッションをすることになる。
アントニオは昨日の根っから明るい演奏とはまるで別人かのように、大に合わせて演奏する。
驚いた大は、演奏のスタイルを自由自在に変えられる理由を聞くと、7歳の頃からいろんなジャズマンとセッションをしながら勉強したからだという。
たった1人で吹き続けてきた大とは対照的に、幼いころから1人でも多くのプレーヤーと合わせることで学んできたアントニオ。
対照的な2人が組んで果たして成功できるのか。
その場で回答を保留したアントニオに対し、大は、組むことは全く怖れていない、自分と組んでほしいと頼み、自分の連絡先を渡すのだった。
ジェイソンとの別れ
メキシコからアメリカに帰ってきた大とジェイソン、別れる前にスケートボードパークでジェイソンの滑りを見せてもらう。
ジェイソンは周りから注目を集めるくらい凄いスケーターだった。
大の目の前でビッグトリックを成功させたいとチャレンジをしたが、失敗し続ける。
それでも笑ってチャレンジするジェイソンを見て、大は、失敗しても何度でもチャレンジできるんだ、というメッセージだと受け取ってその場を去り、1人旅を始める。
一人旅で自分と向き合う大
東海岸に向かう道は、広大な自然の中をひたすら走ることになった。
お金もないので、モーテルに止まらずに砂漠にテントを張って野宿をし、パンと水で空腹を満たし、サックスの練習をして、また車を走らせるという毎日。
ずっと1人で自分と向き合っていると、家族やヨーロッパや日本も含めて今まで出会った人たちとのことを思い出し、その人たちを置き去りにして好き勝手にやっている自分を自覚する。
しかし、それでも自分は進むことをやめずに思いを叶えることで恩返しする、と大自然の中であらためて決意するのだった。
サックスのレッスンと、アントニオとの再会
ニューメキシコのアルバカーキまで来た大だが、お金が底をついたため、ジャズクラブに頼み込んで皿洗いをさせてもらうことにする。(ライブ出演は断られた)
合わせて、常連のテナープレイヤーで一般の人たちへサックスのレッスンをしているスティーブ先生が病気になってしまったとのことで、代役を依頼されることに。
大の生徒は、大きな音を出したい男の子のハリー、優しいジャズが好きな熟年女性のキャロル、ゆっくり成長したい中年男性のアクセル、美しい音楽は数学的という言葉を信条としている聡明な女の子ニーラの4人。
4人に真剣にレッスンする大は、発表会を企画し、スティーブ先生が退院する日に合わせて開催することにした。
皿洗いをしながら発表会についていろいろ思案している大の前に、なんと、大を追いかけてきたアントニオが現れた。
大と組むことにしたアントニオが発表会のピアノ伴奏を快く引き受けてくれたのだった。
生徒の発表会
発表会当日、ガチガチに緊張をする生徒たちに対して、大がなんとか勇気づけようとしているとき、退院したスティーブ先生が会場に姿をみせる。
生徒たちは安堵の表情を浮かべて迎え入れる。
スティーブ先生はヨーロッパで活躍していた大のことを知っており、会えて光栄だという。
大も生徒とのやりとりから、スティーブ先生が生徒の個性に合わせてきめ細かな指導をしていたことを感じており、初めて会った気がせず、感慨深い対面となるのだった。
【5巻のまとめ】
大はアントニオに、自分と組んでほしいとお願いをし、その場で返事はもらえなかったが、後にアントニオは大を追ってアルバカーキで再会を果たすこととなる。
ジェイソンと別れて、何日も大自然の中一人旅をする大は、自分を見つめ直す。
途中でお金が底をついたので一般人のサックスレッスンを引き受け、真剣に取り組んで発表会まで企画するのだった。
次巻へ続きます。
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